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菜食主義者のワイン

先日ブログの検索ワードに「カステル・ペーター」が入っていて驚いた。本日仕事に訪れた人がそこで働いているからである。バート・デュルクハイムに入る前の平野部にある観光客相手にレストランなどをやっている醸造所である。自分自身はその場所柄から訪れたことは無いが、話はよく聞いていて、そのワインも貰ったことがある。

そして今何を話題にしているかというと、菜食ワインということだ。正直一体何を言っているのか分からなかったが、フィルターリングのことで気がついた。勿論ボルドーのことであるが、卵を使ってフィニッシングをするというあれだ。そもそもリースリングなどでは話題にもならなかったように思うが、ビオワインから更にもう一つ売りとしてこの概念が持たされているようなのだ。

市場としては、亜硫酸云々以上にヴェジタブリアン人口は多いから、当然のことながら経済的な魅力があるのだろう。そうした取り組み自体は営業努力であるから評価されるべきだろうが、そうした情報の一面性で誤った消費動向を招くことは決して賞賛されるものではない。

ビオワイン自体が、そもそも高級ドイツワインの中では標準になっていて、葡萄以外にはなにも材料を使わないワインが主流になっているところで、こうした試みが逆にそうした部分的な売りを謳わないワインに対して否定的な誤解を招きかねないからである。そうしたものを含めてワインの質と呼ぶのだが、魅力あるテロワーと健康な葡萄がなければ幾ら努力しても魅力あるワインとはならないから、個別の売りを強調しなければいけないことになるのである。因みにカステル・ペーター醸造所の女性親方も日本を訪問していて、多くそこに輸出されているらしい。それは、それで結構なことである。



参照:
シュタイナーのエコ農業 2007-05-22 | アウトドーア・環境
大量生産ビオ商品市場で 2012-08-26 | 試飲百景
by pfaelzerwein | 2015-05-17 00:00 | ワイン | Trackback
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