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バーデンバーデン復活祭まで

そろそろバーデンバーデン復活祭に向けてのお勉強をしなければいけない。ベートーヴェンの合唱は流石にスコアを持っているが ― しかし探してみると見当たらないのである、あれは幻か、視覚的には目に浮かぶのだが、そこで早速DLする。一つは手書きのファクシミリ版で、これだけでは流石に目が届かないので、ショット社のオリジナル版をDLする。楽劇「トリスタンとイゾルテ」の全曲は持っていない。そこでこれはいつものようにDLする。

さて、参考のための録音は、ベートーヴェンの方が選択の余地があるが、トリスタンの方はLPでフルトヴァングラーの歴史的録音しか所持していない。そもそも合唱交響曲も生で体験したことはなく、トリスタンも一度も生に接していない筈だ。

それは何故なのか?合唱交響曲も殆ど演奏されることが無い。少なくともドイツに移住してからその機会は一度も無かった。つまらない演奏会に出かけるつもりも無かったが、選り好み以前に、この曲がプログラムに載っているのを見た覚えが全くないのである、EUの賛歌となっている曲であるが、実際に演奏されたのは1990年のブランデンブルク門でのバーンスタイン指揮の演奏ぐらいで、その後に新聞記事になっていたのは十年後ぐらいの演奏会ぐらいであろうか。要するにザルツブルク音楽祭でもどこでもこの曲が演奏される機会は記憶が無いのである。そこでバーデン・バーデンで演奏されると知って、一度は生演奏を聴いてみたいと思ったのである。

同じようにトリスタンは、ヴァークナー劇場と呼ばれるマンハイム私立歌劇場でもそれほど演奏されていない。毎年超一流ヴァークナー歌手を集めて祝祭上演がされていたマンハイムであるが、マイヤーのイゾルテなどの上演は記憶があるのだが、マンハイムでこの楽劇を体験する気持ちなどは毛頭なかった。高名なシュナイダーら程度のニ流の劇場指揮者と管弦楽団ではこの曲を十分には演奏できるとは全く考えなかったからである。

さて、参考にする音響素材はなにがあるのか考えてみた。合唱交響曲は、LPは数種類はあるだろう。例のバイロイトでのフルトヴェングラーの演奏は最後の仕上げに耳にするかもしれないが、先ずは唯一のCDであるカール・ベーム指揮の最後の録音を使ってみよう。

トリスタンの方は、LPしかない。これといった録音はあるのだろうか?先日亡くなったヴィッカーズのトリスタンは素晴らしかったというが、カラヤンの演奏がどこまで行っているかはとても疑問である。バーンスタインも評判になっていたが、何か違うような気がする。カルロス・クライバー指揮の制作録音もあるようだが、これといったものはものは見つからない。それならば一番印象に残っている演奏ということで、DATに録音してある1996年のバレンボイム指揮のバイロイトからの中継録音を使ってみようと考えた。

キリル・ペトレンコもリオンでも指揮しているようだが、どこまで完成しているものになっているかは若干疑問である。合唱交響曲も難しいが、この楽劇は中々おいそれとは演奏できないと感じるのは当然であろう。

今まで数えきれないほどのコンサートとオペラに通ったが、この二作品を生で体験したことが無いのはこうした事情からである。



参照:
復活祭日曜日の動機付け 2015-04-06 | 暦
市場であるより美学の問題 2015-07-22 | マスメディア批評
何故に人類の遺産なのか 2008-06-26 | マスメディア批評
by pfaelzerwein | 2016-02-17 19:58 | | Trackback
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