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jk, ポストメルケルの中庸

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先日パン屋に行くと、その前で折からの地方選挙のキャムペーンのスタンドが立っていた。いるのはプラカードで見ていたロルフ・ラングという候補で、見るからに自由党から右の戦力と思っていた。無理やり車の頭を突っ込んで邪魔をしたのだが、向こうから挨拶した。流石に現職の議員らしく物腰は悪くはなかった。目的を達して急いで辞去した。後で調べてみると、そのプラカードの右下には赤くSPDと見えないぐらいに小さく書かれていた。

代々のパン屋の事であるからてっきり右寄りと思っていたが、旦那もパン工場で働いているのだろう。それならば社会民主党だっておかしくはない。道の反対側には、プェフィンゲン醸造所のオーナーのエルマールの黄色い自由党のプラカードが掲げられている

とはいっても警察の前を中心に大きなプラカードは「経験豊かな」トライヤー女性首相の大きな写真である。ここラインラントプファルツはSPD王国でもあるが、ヘルムート・コールをはじめとする有力政治家の宝庫でもある。

そして何よりも目立つのは元ワイン女王のユリア・クロックナーのプラカートで、ポストメルケルの次期首相候補に最も近い政治家として、難民対策を機に急浮上してきた。なによりも、現実的な対応を持ち味とするように、選挙資料には「全てを変えようとは思わないが、多くを更によくしたい」と書いてある。極端なことを言わなくても既に国政水準で注目されているために余裕で現実的にアピールできるのが強い。なによりもワイン女王は、地元にとっては身近な存在であり、なんだかんだと間接的に知己があるのだ。

なるほどチラシを見ると選挙には強そうだ。文字が少なくとも関心を持って一つ一つの写真を逐一説明まで見てしまう。外見は、好き嫌いはあるだろうが、特別に僻まれるようなものでも疎まれるものでもなく、その経歴もマインツのグーテンべルク大でカトリックの神学に政治学、教育課程も取っていて、マスターまで取っていれば、博士号疑惑で問題になることも無く丁度良いのだ。CDUの青年部にもワイン女王になってから加入していて、中庸さを上手に生きている。昨今の世界の政治指導者の中ではとても珍しいタイプだろう。

実家のグルデンタールは、バートクロイツナッハの反対側の谷筋でそれほど良いワイン地所はなさそうだが、学校などはバート・クロイツナッハに通っていて、ワイン女王になってからヴァインヴェルトの記者やワイン街道のノイシュタットで編集者として仕事していて、その辺りの職歴も政治家としての色合いを上手く染めていて、中々お膳立てが整っている。

今回の地方選挙は、SPDの地盤での戦いであり、代表の彼女だけの人気では勝てないのは当然であろうが、ニュルブルクリングでの写真があるようにSPDの問題が山積みされているのでそれらを敵失として、全ては有利に進むのだろう。jk, ポストメルケルの中庸_d0127795_1675267.jpg



参照:
Dreyer gegen Klöckner, Keine eindeutige Gewinnerin im TV-Duell, SWR
Dreyer gibt gegen Klöckner die Landesmutter, FAZ
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