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国政を予想させる選挙予想

ここラインラント・プファルツ州とお隣のバーデン・ヴュルテムベルク州では選挙である。日付が変わるころには大勢が分かるであろうか。

最後の土曜日のパン屋の前はSPDの候補が居た。パン屋の支持政党がこれで分かった。法律上どのようなことになっているかは分からないが、またまたパンとジャムなどを配っている。新聞にもあったようにSPDの長期低落傾向には下げ止まりが無いようで、一方のCDUの方は国民政党としての力を戻したが、SPDはいつまで国民政党と呼ばれるかどうかは分からない。労働組合政党でしかなくなっている。

そのような中バーデン・ヴュルテムベルク州では、政権政党の緑の党が初めての第一党に躍り出ようとしている。調査では、フクシマを受けた前回の得票率24%から32%へと躍進が予想されている。これは画期的なことで、緑の党を首班としての連立が画策されることになるからだ。

それを受けて、メルケル首相はSPD首相の地元トリアーで対抗馬ユリア・クロックナーを応援して、そのあとシュツットガルトのデーガーロッホへと駈けつけたということだ。片方では25年ぶりに政権を奪取できる可能性が見えてきたのだが、片方では第一党から陥落するという異常な状況に瀕しているからである。

政権与党の緑の党が勝利してもSPDの凋落傾向から左派陣営は弱体してきており、考えられるのはFDPを加えた「信号燈連立」と呼ばれるものだ。反対にマインツでは、第一党がどちらになっても緑の党が支持を急速に失ったためにたとえ自由党が議席を回復しても連立が困難になっている。CDUがクロックナーを首班指名をすることになればAfDが連立することになり、その連立の選択肢が増える。

オールナティヴのAfDは文字通り国民の声であり、今回のサクセンアンハルト含めた州選挙でもっともの関心ごとである難民問題に戦線を構えているために、緑の党やSPDとは相容れないが、国民政党CDUとしては抱き込みたい市民の声なのである。合衆国のプフェルツァートラムプ候補が突出するような状況を阻止できるのがCDUの責務であるとするのはある程度誤りではない。

FAZは文化欄でAfD支持に警告を発している。そこで扱われている候補者のプロフィールや言動は、医師や元教授などの有閑の年金生活者などが、「黒ん坊オバマ大統領を名指し」したり、「我が闘争をコーランと比較して、ヒトラーを最も偉大な政治家」と豪語して、「CO2規制などは合衆国の広告会社の発明で、原子力に変わるのは先ずは石炭しかない」など、国民の多くが関心を持つ言動をぶち上げるのが大阪の地方政党の連中などと同じであり、トラムプ候補などと同じポピュリズムが旗印となっているのことが詳しく書かれている。正直馬鹿らしく決して長続きしない政治的な動きであるが、各地で一割を超える票を集めるとなるとやはり無視できない。

いずれにしても選挙結果以上に最終結果を受けての連立交渉が話題となるのは変わらない。パン屋ではSPDから逃げるようにして車に駈けこもうとすると呼び止められるので、仕方なくジャムを貰ってきた。どうしても貰うと気になってしまう。



参照:
jk, ポストメルケルの中庸 2016-03-03 | 女
街の代表者を選ぶ選挙 2016-03-08 | 生活
福島から明日が変ってくる 2011-03-27 | 歴史・時事
by pfaelzerwein | 2016-03-13 18:12 | 歴史・時事 | Trackback
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