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廃炉、最終処分の費用分担

ミュンヘンからメールが入っていた。初日が迫る楽劇「マイスタージンガー」の最終稽古が始まったというリメンダーメイルだった。このシリーズ入場券を持っている人は皆早くから準備をしていたので忘れそうになる人も居るのかもしえない。サイトを尋ねると、写真で舞台を少し見せている。この演出では、ニュルンベルクはドイツの往年の賑わいの無くなった小さな都市を舞台とするようだ。所謂日本で言うところのシャッター商店街の親方と、その夏祭りだろうか?コンセプトとしては、政治的であるよりも社会歴史的な視点であるようだから、過去から現在、そして未来となるのだろう。私個人的にはパン屋のコートナーが気になる所である。しかし、主役のヴォルフガンク・コッホの舞台姿を見ているとどうしてもバイロイト祝祭劇場でのヴォータンを思い出してしまう。少なくとも声に関しては、あそこで若干の違和感とは違ってここでは完璧であろう。

有名登山家の遺体が見つかったということで、新聞記事を読む。16年ぶりに見つかったのはアレックス・ローウで、シシャパグマをスキー滑降中に雪崩にすくわれたようだ。カメラマンと三人で活動中で、助かったコンラード・アンカーは二日間捜索したが見つからなかったという。そしてこの享年40歳の一流登山家を見つけたのがこれまた超一流のウリ・ステックとダーフィット・ゴェッターだったようで、新ルート開拓中にもう一人のデーヴィッド・ブリッジとローウの二人の遺体と推測された。ローウの未亡人は、これでお別れが出来ると語っている。事件後に帰国したアンカーは未亡人を助けて2001年に結構して、三人の子供をもうけている。未亡人と子供達は、この夏にティベットを訪れてそこで亡骸を埋葬することにしているようだ。

先月末にベルリンで開かれた19名の諮問委員会で脱原発の費用負担が決められた。その結果、国と四大エネルギー会社(エーオン、RWE、ファッテンファール、ENBW)が脱原発費用を分け合うことになった。諮問委員会は、労働組合、産業界、環境団体や教会から組織されて、CDUのフォン・ボイスト、SPDプラツェック、緑の党トリテンが代表を務める。企業側が198億オイロ、充分でない引当金の半分がそこに含まれる。それをもって即廃炉の費用と、核廃棄物最終地下貯蔵の権利を獲得する。中間、最終処分に、企業からは233億ユーロが計上されて、2022年までに支払らう。172億ユーロの引当金と特別費として61億ユーロが公的な最終処分基金から支払らう。連邦政府に対して、このように年内に立法化することが諮問される。諮問委員会は、これで廃炉への長期にわたる財政が、納税者、企業に公平に負担されるだろうとしている。元ハムブルク市長のフォン・ボイストは、これは民主的な良き解決方法で、議論のドイツの成果だとしているが、これによって株価を落とした企業側はこの諮問結果を先ずは拒絶した。



参照:
合理的に物事を処理する時 2015-07-15 | アウトドーア・環境
若い仲間たちへのエレジー 2015-08-09 | 雑感
思わず感動するお勉強 2016-04-29 | 音
by pfaelzerwein | 2016-05-04 18:04 | アウトドーア・環境 | Trackback
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