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モンサントの息の音を止める

今週は既に二回走っている。先週の分を取り返す勢いだ。腰の調子は今一つだが悪くはなっていない。湿気があって、適当に流していても峠に近づく、もしくは三キロを超える辺りから汗を十分に掻くようになる。これだけでも気持ちが良い。沢沿いを折り返し点に近づくと、向こうから親爺が走っているのか歩いているのか分からない感じで向かってくる。先日みた競歩風とはまた違う。案の定折り返して暫くすると追い越した。

抜くときは颯爽にと思うので少し力が入る。それでもこの親爺には抜かれる事はないと思うとあまりペースアップにもならない。それでも気候のためか結構堪えてゴールした。

モンサントの身売りに関して、新聞はニューヨークから伝えている。今回のバイエルによる吸収は、一年前にモンサントが競合シンゲンタに襲い掛かった能動性と比べてどうかといった視点である。悪名の高いモンサントであるが、今回は餌食になろうとしていて、ここで一挙に喰われるかどうかだということだ。合衆国でも一部州では遺伝子工学生成食品の表示義務がなり、モンサントの息の音を止めるには好機であり、バイエルにとっては買い叩ける絶好の機会である筈だということになる。

実際に農民に高い種子を売りつけるビジネスモデルを形成するモンサント社であるが、バイエル社も決してそうした面が無い訳でもなく、そもそもIGファーベン時にはナチの協力企業であり、戦後も枯葉剤を生産するモンサントとの協力関係にもあって、良い面での薬品分野においても反コレステロール剤リポバイなどは、最近の大きな薬事スキャンダルを起こしていると書く。実際には使用禁止問題のグリフォサットなどはモンサントだけでなくどこの化学メーカーも提供している除草剤だということである。

そしてここでバイエルによる吸収が完了したとして、バイエル社にとってはどのような利点があるかということである。最大の利点は、この農業化学の世界最大企業としてその構造を決めて行けることで、同時に問題は同僚のBASFと同じように独占禁止への警戒にされるということである。要するに市場を支配して価格設定を出来るということになる。ダウケミ・デュポン、チャイナケミ・シゲンタに続くバイエル・モンサントの吸収合併はその独禁法の審査に晒されることになる。

前回のシェーリング社吸収の時にはもち株を買ってもらったが、モンサント社は全く関係が無いのでどうでもよい。しかし、モンサント社の息の音を止めるならば今しかないと思われる。そもそもメルケル首相ではないが、バイオ農産物に関してはそれほど反対ではなく、少なくとも食用ではない工業用糊とかバイオ燃料に使っても当然だと考えていたが、最近の遺伝子操作がたとえそれが天然に存在しているとしても殺虫効果を持つ新しい植物の開発などとなると到底認めることは出来ないと考えるようになった。要するに植生だけでなく、生態系への影響が甚大であり、そうした科学はあり得ないと考えるようになった。

従来言われていたような宗教的な倫理観とか、スローフード愛好とかの自然愛好主義とは異なって、自然科学的な見地からこの手のバイオ製品の開発にはストップを掛けないといけないと知るようになった。恐らく、正しい情報が合衆国などでも普及するようになれば民意の結論は見えていると思われる。今回の買収交渉が成立して自然淘汰されれば、当然のことながら問題の多いバイオ技術には抑制が掛け易くなるのは間違いないと考える。



参照:
モンサントの種はどこへ? 2016-05-19 | 雑感
モンサントがバイエルになる 2016-05-22 | アウトドーア・環境
モンサント買収の意味 2016-05-26 | アウトドーア・環境
逃げ足の速いモンサント社 2016-03-07 | BLOG研究
ジカ熱被害の住友化学の責任 2016-02-17 | マスメディア批評
モンサント社の撤退 2013-11-16 | アウトドーア・環境 TB0,COM0
散髪が叶わなかった日 2013-05-22 | 生活
欧州の環境に従う経済博士 2012-01-18 | アウトドーア・環境
by pfaelzerwein | 2016-06-03 17:49 | アウトドーア・環境 | Trackback
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