トスリンクケーブルの差?但しDATプレーヤーへとグラスファイバーで出力して、そこから同軸でDACに入力していたのとは印象が異なる。いづれにしても読み取り能力に限界がありそうだが、なぜかパンチの効いた音の感じがソニーらしくて不思議でたまらない。アナログの素子で音作りをしていると思っていた。PCMデジタル出力で音作りなどできる筈が無いからである。 正直まだ時間が取れないので断定的なことは言えない。それでも、読み取りだけで音の感じは変わっている。光学ケーブルが一メートルであろうが、五メートルであろうが、グラスだろうが、プラスティックだろうがそれほどの差はないのだが、CDの読み取りヘッドとその出力で大分音が違う。 そうこうしているうちに最後に発注したゴムベルトが届いた。直径4.7ミリメートル、幅1.5ミリメートルだ。切って繋ぎ合わせた角型と殆ど変わらない長さで、形状が異なり接触面積は増える一方、ゴムの質が異なる分摩擦抵抗は強くなりそうにはないが、プーリーでスリップしなければそれで充分だ。スリップし出すと直ぐに分かるであろう。最低の張力で上手に釣り合っているという感じで、上手くいけば、無理に伸ばして張力を得ていない分とても長持ちしそうである。 これで修理・整備に掛かった全費用は、ベルト五種類七本と、五メートルの光学ケーブル、プラスティック接着剤、シリコングリースで、約40ユーロとなる。期間十日間で全作業時間が四五時間であった。完動品となった。仮接続した折れた箇所をもう一度改めて接合しなければいけない時までは問題がなさそうである。 HiFi装置としての出来は、この二十三年前の人気普及品CDプレーヤー(SONY X202ES)のデジタル出力からDAC(DENON DA300USB)にトスリンクケーブルで出力したサウンドは決して悪くはなく、BGMとして流すぐらいならばこちらの方が音が前に出て来るので聞こえやすいぐらいである。要するに読み取り能力は落ちていても、それなりに楽しめるので、少なくともMP3程度のそれとは大違いである。 先日購入したチャイコフスキー交響曲全集のとんでもない録音では ― 当時のシカゴの交響楽団のパワーを記録しようと意図したのか、ラディオ中継録音のようなホールマイクロフォン主体のシカゴの本拠地会場を鳴らした録音で、デジタルPCMで異常なダイナミックスを狙っている ―、現行のプレーヤ(DENON DCD-1510AE)であまりに倍音成分を多く含む残響などが再生されるとなかなかその細部にまで耳が届かなくなる傾向があり、寧ろ簡易な音が前に出るぐらいの音の方が明瞭に聞こえる感じがするのである。実際には実験的な録音をスーパーマッピング処理で響かしているに過ぎないので問題の多い録音でもある。なにか昔のLP時代のおかしなアメリカ盤の録音やその質を思い起こせるようなCDである。 直したプレーヤーに関して敢えて言えば、読み取り性能が悪いためか低音のバスがもやもやとするので、その意味からは小気味の良いパンチの効いた音が出るという訳でもない。更に内声部の音などはそれほど分離されて再生されないので、こじんまりとして音像とともに団子状になる傾向は否めない。要するに喧しい。 そこでどうしても思い出すのは、CDの黎明期の議論である。デジタル録音とそのメディアの再生であるからHiFi装置の良し悪しはあまり関係ないとする意見と、反対にハイエンドユーザーのオーディオマニアからは高級なプレーヤーはそれだけ違いアナログに近づくという意見の議論があった。また高級プレーヤーは所謂アナログ再生出力の回路が違うだけで、デジタル読み取りとコンヴァーターにはそれほど差が出ないという考え方があり、実際に二十年以上の技術の差があってもそこから出て来る音質の差は良し悪しは明らかだが、技術的な質的進展ほどにはサウンド変わらないというのが正しいことも証明された。デジタル技術で重要なのは寧ろそのデジタル処理の量的な問題であり、ハイレゾリューションなどの技術に比較すると、それ以外のことはそれほど音質には関係ないということでもある。つまりCDプレーヤーの差は価格程の差は無いという結論である ― レヴォックスの放送局のものなども使ったことがあるが、メカニックやモニターや表示などの機能などが異なるだけであり基本はあまり変わらない。 参照: 縫合したゴムベルトで駆動 2016-06-10 | テクニック 幾つあっても邪魔にならない 2016-06-07 | 生活
by pfaelzerwein
| 2016-06-14 22:46
| テクニック
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