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マニキュア落としの効果

恒例のCD発注である。今回は安売りしていたものからオペラを二種類ピックアップした。先頃逝去した指揮者ニコラウス・アーノンクールの録音で、チューリッヒで録音したものとアムステルダムで録音したものの二種類のモーツァルト作品である。前者は、大成功制作「イドメネオ」の流れで、同じくオペラセーリア「ティトスの寛容」である。病死したルツィア・ポップの最後の録音らしい。後者は「ドンジョヴァンニ」でトーマス・ハムプソンの代表的な録音らしい。手元にはカール・ベーム指揮とフルトヴェングラー指揮のライヴ録音しかないので、もう少し確り演奏している録音と期待した。前者はベーム指揮のドレスデンで録音したものがあるが、もっとオペラセリアらしい録音が欲しかった。

その他には、ヴァイオリンの協奏曲を三曲ほどである。前からウィッシュリストに入れていた。メンデルスゾーンとブラームスをアンネ・ゾフィー・ムターが弾いたもので、フォン・カラヤン指揮のデジタル録音としても興味深い。前者のデビュー当時の演奏が良いらしいが、後者をどのように弾いているかも気になる。それならばベートーヴェンの録音の良い音盤が手元にないので、アッカルドが弾いてジュリーニが合わせた録音を添える。この辺りのクラシックな曲目はCDになってからはほとんど手をつけなかった曲種なのだが、安売りで買えるものが少なくなってきた現在、安ければ買い集めておく。特に80年代から90年代前半のデジタル録音などは買いそびれているか、それどころか時々未知のものもある。

そして、テラークレーベルでクリーヴランド四重奏団が演奏したボロディンとスメタナのものがあったのでこれも付け加えた。スメタナのものは同名の四重奏団などでの演奏で有名で馴染みであるが、手元において何度も聞き返した記憶がない。

8CDで〆て32ユーロなら悪くはないであろう。第2四半期に購入したフンパーティングのメルヒャンオパー「ヘンゼルとグレーテル」は教会での素晴らしい録音で、コリン・デーヴィス指揮のシュターツカペレ・ドレスデンも美しいが、曲に関してはリヒャルト・ヴァークナーの亜流丸出しで興醒めすることが多い。

先日入手したマニュキア落としの効果は絶大だ。一月ほど前にアルコールで掃除したRCAコネクターの差し込みを改めて掃除すると、完全に音が変わった。変わったのは明白に倍音成分が出だしたことで、ここまで臨場感溢れる音が入っていたかと驚く録音が続出する。結論からすると今まで使っていたアルコールで清掃した時から一皮むけた感じで、見た目以上にこれほど酸化が進んでいたかと思わせる。下手なケーブル交換以前に接点の掃除が先決であることがよく分かる。これほど高音が伸びているとは思わなかったメディアも多く、徐々に高域の可聴能力の落ちている筈の我が耳を疑う。

新しい光学デジタルケーブルで修理した古い普及型CDプレーヤーと新しいSACDプレーヤーとの差異がこれでまた縮まった。前者も音響の構造だけでなくて夾雑音もばっちり聞こえてきて、BGMとして最高品質の音となって、ノートブックでの仕事中もはっとする音楽が鳴り響く。そして新しい方にすると今度はまた殆どハイレゾナンス音響でCDが鳴る。その差異は、歪が少なく、アナログ的にどこまでも聞き取れて仕舞うような奥行きがあることか。因みに、内田光子のモーツァルトソナタ全集録音は一部にピーク歪などがあって、ブレンデルのシリーズからすると大分落ちる。修正や録り直ししなかった裏事情を推測してみる。それだけブレンデルのデジタル録音はある種のピアノ録音の頂点かも知れない。



参照:
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by pfaelzerwein | 2016-07-06 18:14 | 雑感 | Trackback
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