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ガス抜きの指導をする

食後にネットラディオなどをモニタースピーカーで流していた。呼び鈴が鳴って、誰かがノックする。同じ屋根の下の住人だと思ったが、何事かと思った。先日管理会社から「安眠時間は静かに」のチラシが入っていたので、PCオーディオなどが気になっていたのだ。正直、制作CDとは異なって、生中継録音録画などは音量のコントロールが難しい。そして夏場は開き放たれていたので、可成り音が出ていたのは想像できる。それでも誰が文句を言って、誰が文句を言われているかは敢えて伏せたままだった。そして仕事のこともあるので出来る限り音出しに関しては事を荒立てないように留意している。要するに出す時は出すの環境を整えておく方がベターなのである。

しかし状況からするとそれとは異なることは分かっていた。若干疑心暗鬼に皆がなっているとは思う。開けると階下の三十代の住人だった。独り者で自転車で走り回るぐらいなので不愉快な人物ではない。寧ろ、夏の間に結構な音を出していたぐらいだ。正直あの手のバスドラムのぼこぼこの音圧は不快であるが、そもそも本人があんな音圧の下に一日中居れる訳がないので、精々あの手の音出しは二時間が限度だ。

「暖房が来ているか?」と訊ねる。全然暖まらないようだ。夕方に寝室が温まっていたことを思い出して、「来ている」と答える。その日は朝からお湯が止まっていたのでその影響と思った。そして長年の経験から「ガス抜きをしたか」と訊ねると、要を得なかったようなので、専用の螺旋回しを貸してやった。そして十分ほどして戻って来るが、駄目だと言う。

地階のところでは来ているということなので、フロアーのどこかにガスが溜まっていることぐらいしか考えられない。自身の十年間に亙る経験を話した。そして、メーターが付いている元栓のところにもガス抜きがあるから、もう「一度やってみろ」と言った。そしてしばらくして戻って来て、「ポコポコと音がして時間が掛かったがお湯が来た」と語った。

自転車を自分で分解して整備するような男性が、ガス抜きが初めてだったと知ると驚く。集合住宅に住んでいると、特に上階に住んでいると必ず問題になる筈だが、なるほど最上階に住んでいないとこの問題に直面することが少ないということだろうか。ドイツにおいて、持ち家で育って持ち家に住んでいる人は西欧でも最も比率が低い。要するに集合住宅に住んでいる人の人口比率はとても高いということになる。その場合は方式や窯のシステムは多少違っても集中暖房システムであることは変わりない。

そして外から見ているのと違わず、ドイツは機械やテクニックに興味ある人の比率は他国よりも高く、マイスター張りに手を動かす人も少なくないのである。それでも暖房のガス抜きをやったことがない人がこうしているのである。不思議なこともあるものだ。

まあ、ご本人も暖房が無くて「摂氏8度の部屋で寒かった」と安堵した様子だ。一昨年も同じような経験をしていたので気持ちはよく分かる。なによりもこうして近所付き合いをすることで、少々の音出しもそれほど不快に思わせないようにしておくのが肝心なのである。出す時は出すので、お向かいのお役所などにも同じように了解させておかなければいけないのだ。



参照:
スキャンダラスでないお話し 2015-10-15 | マスメディア批評
窓拭き終わり暖かくなった 2015-10-29 | 生活
by pfaelzerwein | 2016-10-13 17:55 | 生活 | Trackback
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