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一寸だけ危そうな場所

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月始めのアルプスの写真を整理している。高山植物の写真は調べないといけないので、時間的精神的余裕が必要だ。その中に今回の岩場での核心部の写真があった。困難度二級と呼ばれるところだが、高度感は充分にあって、何かあれば即死は免れないところだった。だから下りは皆一様にザイルをぶら提げた。

固定ロープなどが無いことも好ましかったが、固定ロープを張るとすると完全に滑落時に止まるようなクレタ―シュタイクにしなければ意味がない。アルプスの多くの有名一般ルートならばそのようになっているだろう。その点でもこうした目立たない山の良さはある。

既に書いたが、何でもない岩場でも前行く人に何か起こった場合、片手で何か充分に対応するのは、ある程度荷物を背負っての状況では辛いと思った。下りも確りとクライミングダウンしないとやはり無理である。今回のメムバーではやはりザイル無しで岩壁部を動くのは難しかった。要するにメムバーが増えれば増えるほど要らぬことに気を使わなければいけないという要素もある。

実は山の怖さはこの辺りにあって、シャモニ針峰群でクライミングを終えた夫婦が、最後の40mほどの懸垂下降のザイルが足りなくて、ノーザイルで動いていた旦那が滑落して死亡したという話しを思い出す。特に高度を落としていくと視覚的感覚的に麻痺して気も緩んでおり、簡単な場所でも即死するには充分な場所が最も危険なのである。上の場合は頂上直下だったので皆注意するのだが、下部にあると余計に危険ということになるのだろうか。

降り口を頂上から見た写真。一寸だけ危そうな場所_d0127795_1745199.jpg


参照:
GPS分析に見る登頂から下山 2017-07-15 | アウトドーア・環境
恋する人は恐れを知り 2017-07-09 | アウトドーア・環境
こぢんまりとした山小屋 2017-07-11 | 生活
by pfaelzerwein | 2017-07-21 17:47 | アウトドーア・環境 | Trackback
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