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カロリーだけでなく栄養も

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雪は止んで、想定通り少し暖かくなった。それでも湿気っていて雨が降って肌寒い。週末に購入しておいたパン屋のシュトレーンを朝食代わりにする。バターが充分に入っていて比重が高いので比較的腹持ちがよい。ナッツ類も入っていてカロリーだけでなく栄養もある。

時間がある限りタブレットを弄っているので、食事などの時間が割かれる。目下の問題点は、前回の脱文鎮化では補助的な意味しかなさなかったPCによる制御であるが、これがなかなか難しい。PC側にドライヴァーをインストールなどした。それでもまだ充分にコマンドが可能となっていない。タブレットは再起動のループになっているものだから、もう少し弄って、電池を使い切った方がよいのかもしれない。時間を掛ける必要がありそうだ。

日曜日の夜は作業片手にベルリンからの放送を聞いた。引退するペレスがピアノを弾いたモーツァルトは大きな崩れはなかったようだが、その後のインタヴューは興味深かった。要するに彼女が語るに「ピアノを舞台の上で弾いていてもちっとも面白くない」というのだ。プロのピアニストとして、技術的破綻がないように一日中ピアノの練習をしているだけなのだろうから、もともとの技術的限界もあり、これ以上弾いていてもなんら希望が持てないということなのだろう。その理由にブラジルでの家族との時間を挙げていたので、要するにプロとしてピアノに向き合って技術を維持するための苦しい時間などは無駄ということらしい。ピアノを弾いているよりも貴重な自分自身の時間を大切にしたいということのようだ。その天分を考えるとそうなるのも分かるような気がする ― アルフレート・ブレンデルもいい時期に辞めたと思う。それでもインタヴューで、「チューリッヒでもう一度弾いて、日本に行って終わりだ」と語っていた。キャリアの最後に日本人の歓迎を受けて、たらふく寿司でも食してというのがこの手の演奏家のお決まりのようになっているようだ。それほど日本人は優しい。

日本で愛されている指揮者ブロムシュテットの演奏とインタヴューそしてナレーションはそれ以上に面白かった。先ず「座って指揮してもそのカリスマ性は変わらない」とナレーションが入るので、流石に東ドイツの名前でベルリンでは出ているのだと確認した。そのように評するのは東ドイツでのほかにはないだろう。更に驚いたのは息絶え絶えのインタヴューで、如何に極東ツアーで全力を使い果たして完全に弱っているのが声からも分かった。あの年齢になると、今日と明日、昨日と今日では随分と健康状態が異なる。

演奏自体は譜読みとその原典版の面白さは確認したが、演奏自体はまるでザールブルッケンの放送交響楽団が弾いている様な響きで、ベルリンのフィルハーモニカーはゲヴァントハウスなどとは違って、ここたった十年ほどの付き合いらしく、その稽古と指揮通りにしか演奏しないので、その指揮の技術的な粗さが見えるような演奏だった。ヴィーンのフィルハーモニカーとの演奏でもなかったことなので、如何にこの指揮者は客演には向かない指揮者だと思った。それも超一流ところに客演するような指揮者で無かったのはその経歴の示す通りだ。特に演奏前に流れた声を思い出すと殆ど気の毒にさえ思った。要するに90歳を超えたこの指揮者に高いアヴェレージを期待する方が間違っているのだろう。



参照:
待降節は四拍子だろうか 2017-12-10 | 生活
神無しに美は存在しない 2017-12-06 | 文学・思想
by pfaelzerwein | 2017-12-12 04:57 | 生活 | Trackback
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