ミュンヘンのアラキー

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ピナコテークデアモデルンで、ゲオルク・バーゼリッツの特別展示を覗いた。記憶は無かったが1986年に訪問した。当時は所謂クラシックなものにあまり関心が無かったので、肝心のアルテピナコテークだけは入っていない。そして今回も時間が無かった。情けないが、駐車場や日曜日の割引を使えばミュンヘン詣での序に機会があるだろうか。

観光客も多いが、地元の人はアラキーを求めてきている人が多かったようだ。写真にあるようにアラキーのパネルにおばさんたちが見入っている。荒木と言えば我々世代には、ビニ本収集の小室直樹と同じように東京の深夜番組の常連だった。サブカルの人である ― そう言えば山本信也も中央線沿線で見かけた。おばさんたちがどのような感興でそれを見るかは知らないが、世界のアラキーになってからその受け入れられ方が分からなかったので、腑に落ちた感じで、アラキーの展示物を入り口で探し、それに見入るその人達の方が鑑賞対象になった。

その他の展示は、ロ-トレックやマティス、キルヒナー、ピカソなどに混じって、ボイスの展示もあったのだが、規模からするとヴィースバーデンのそれには到底及ばないような気がした。兎に角、昼飯の方が重要なので流した。やはり、バイエルン王室ヴィッテルスバッハ家の美術品は当然のことながら王権を失うまでのものでなければあまり価値が無い。例のルートヴィッヒス二世がどのような美術品の中で育ったかなどは、勿論レジデンスの方の展示にもあるのかもしれないが、家族の美意識はアルテピナコテークを訪問しなければ分からないかもしれない。

さて肝心のバーゼリッツのカビネット展示だが、結論からするとあまりにも小さなもので1ユーロの日曜日割引でなかったら文句が出たろう。それでも本物を見ることで印象はついた。連邦共和国の国宝法の強化に反対して、自らの作品のを引き上げて、ザルツブルクへと移住したという俄かオーストリア市民である。八十歳の記念にパトロンでもあるフランツフォンバイエルン公爵のコレクションが今回展示されたようである。6月上演の「パルシファル」の美術を担当したことで、今回も初日には公爵とバーゼリッツが王のロージュに並ぶのだろうか?私もディナージャケットを着て行かなければいけないかもしれない。

古い1960年代のものはモダーンで、輪郭がハッキリしないものなのだが、1980年代のものは文字が書き込まれている連作や、また色差見本のようなものがあった。当然オペラのそれは最新のコンセプトで来るのだろうが、文字だけはやめて欲しい。ただでさえ情報量の多い舞台神聖劇で更に文字情報が加わるのは御免だ。演出家もあまり信用の置けそうなことを語っていないので、その仕事ぶりには懐疑的なのだ。その点、バーデン・バーデンのディーター・ドルンの方が安心だ。

バーデン・バーデンで、ツェッチマン女史、クヌート・ヴェ―バーのベルリンのフィルハーモニカ―を迎えての記者会見があったようだ。第一報を見るとやはり2019年はオテロ上演で、指揮者は三月になって発表と言う。誰になるか分からないが、ムーティが断ったことまでは最初から知られていたが、それに匹敵する人でフリーの人は誰だ?イタリア人では浮かばない。ズビン・メータしか浮かばない。これならばと思う人も居ない。安ければとは思っても、主役を昔のドミンゴ以上に歌える人もあまり浮かばない。シャイ―ならばと思うが、時間がある筈がない。もしかすると先日メトで名前を見かけたロベルト・アバドぐらいなら一度聞いてみたいと思う。まあ、どちらでもよいなと思う。

肝心のキリル・ペトレンコは、どうも登場するようだ。それも「オペラ指揮者としてのバイエルン音楽監督は違う背景」を強調して、「新たな魅力」というのだ。それ以上は秘密で、ただ「ペトレンコは、祝祭劇場の音響にとても魅了された」と付け加えたのが味噌だろうか。

「違う背景」で余興でピアノを弾くとは考えられないから、また昨年同様の通常の交響曲を並べる訳ではないだろう。つまり音響を駆使した作品且つミュンヘンのアカデミー演奏会では取り上げないような作品となる。バロックなども片手間では出来ず、20世紀の作品ならばある程度モニュメンタルでなければ話題性にも乏しい。ああ、そうか、マーラーの八番はミュンヘンではやらないかもしれない!ギーレンの指揮で聞いた印象では音響的に問題ないだろう。「グレの歌」まで勉強する時間は無い筈だ。ここまで推論するのに三時間ほど掛かった。

すると、2019年4月21日の復活祭に「千人の交響曲」、その前の3月頃か、6月末に「トリスタン」上演か?またオペラフェストになる。また並ぶのか、仕方ない。カムペがベルリンで既に歌っていることからすれば、自然な成り行きだ。2018年8月末オープニング、小演奏旅行、9月末の「マイスタージンガー」に続いて、10月マーラー、12月暮れに一つ目の新制作か?インサイダー情報も何もないところで、これぐらいの予想が精々である。



参照:
山場を越えた安堵感 2018-02-13 | 雑感
宮廷歌手アニヤ・カムペ 2018-01-22 | 女
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by pfaelzerwein | 2018-02-14 19:14 | | Trackback
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