演奏会発券当日の様子3月5日月曜日に残りシーズンのティケェット発売があった。今回初めて観察したのはベルリンのフィルハーモニカーのそれで、発売当初からの動きが興味深かった。感じられたのは組織的な活動があって、例えばパーヴォ・ヤルヴィ指揮とテューガン・ソキエフ指揮のそれがバンバン売れて行っていたようで、その定期公演分の数は分からなかったがとても不思議な感じがした。両者とも所謂玄人筋にはそれほどまでの評価がない指揮者であり、なるほど前者はジャニー・ジャンセンのソロがあり、後者もお得意のロシア物のプログラムとしても、そこまでの人気は無い出し物の筈だ。結局最終的には売れ残りが出ていたのだが、一種のマニプレーションをも疑わせた。 一方お別れのサイモン・ラトル指揮の演奏会の席が飛ぶように売れるのは納得で、アラン・ギルバート指揮やダニエル・ハーディング指揮の演奏会に人気が無いのも当然かもしれないが、キリル・ペトレンコ指揮のそれの売れ行きが思いの外悪かったのがとても興味深い。定期の入っていない最終日の演奏会こそは通には外せないのだが、その数は二桁とまりだろう。つまりミュンヘンでも同じようなものだが、ベルリンでは予想していたようにペトレンコ人気がミュンヘンほどではないと気が付いた。恐らくコーミッシェオパー時代の人気は現在の評価とはまた違っていたからだろう。 もう一つ興味深かったのはルツェルンでの発券状況で、今まではベルリンフィルハーモニカー公演といえば即完売の印象が強かったが、上記の公演と同じプログラムの二日目の売れ方に驚いた。やはりシュミットを後半に持ってきたプログラムの不人気さと、まだまだランランに遠く及ばないワンの人気だと思った。ワンの人気は想像がつかないのだが、予想以上にあの半裸のような衣装が真面な市場では不人気を買っていると見た。イスラエルからの中継を観るまでは同じ印象を持っていたから間違いないだろう。要するに販促戦略上の狭間にいて、今年のフェスティヴァル週間が終わるまでに多かれ少なかれ解消される問題なのだろう。 因みに来るかどうかわからないランランの協奏曲の演奏会はピアノ側が綺麗に売れていて、その人気のほどが窺がわれる。要するにシャイ―の指揮する管弦楽などどうでもよいのである。まあ、もし登場するということになればそれはそれでフェスティヴァル前半の話題をさらってしまうだろうが、またもやキャンセルということならば殆ど引退発表になるのではなかろうか。残りのスケデュールにもよるが引退発表することが商業的にプラスなのかマイナスなのかが諮られることになるのだろう。 ルツェルンの方は特に券を確保していたことから自身のそれと初日の入券の可能性を比較することになった。結論からすると、上位クラスの売れ残りよりもよい席を配券して貰っていたことになる。可成りお得だった。もし初日、二日目をネットで購入していたならば高くついたと思う。両日とも安い席が残っていたのは驚きだった。それはミュンヘンでの発券状況を知っていると信じられない。やはりオペラはコンサートとは違い市場が大きいということでしかない。それでもミュンヘンの劇場での演奏会は即完売である。この差異はやはりペトレンコの広い市場での知名度の無さなのかもしれない。やはりサイモン・ラトルの方が有名だというのが我々初期からのファンからすると隔世の感があるが、その当時からラトルはやはり特別な存在であった。そのルツェルンでのセミナーやロンドン饗との演奏会も興味があったが、やはり三時間の道程は遠い。 話題のペトレンコ初日は、それでも最後の一枚が売れたのは月曜日の22時頃だった。思わず手を出しそうになるぐらい、イライラさせた一枚だが、一体誰が購入したのか。よほど癇性もちの、もしかするとフェルドキルヒあたりの親仁ではないかとも想像する ― 因みに水色の席は上から三ランク目の価格220CHFである。ペトレンコの地元であるフェルドキルヒからはザルツブルクよりもミュンヘンよりもルツェルンの方が遥かに近い。この公演はそのポピュラープログラムでスポンサー筋の専売だけでなく、玄人筋もベルリン初日からザルツブルクを回って最後まで同行する向きもいるだろうから、そのベートーヴェンの演奏実践で兎に角話題性が高い。個人的には今回と近い席で聞いたアバド指揮の「エグモント」序曲を楽員の名妓性でもどこまで超えるかである。そこまでで本番を繰り返しているので言い訳は効かない。来るバーデンバーデンでも前日のゲネプロだけで、「パルシファル」の幕を開けてしまうという鼻持ちならない楽団だけに、七番イ長調はどうしてもスリリングでさえある。 参照: 良いこともある待降節 2017-12-15 | 暦 零下7.5度の寒さを超えた 2018-02-17 | アウトドーア・環境
by pfaelzerwein
| 2018-03-06 18:58
| 雑感
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