2019年復活祭の座席確保

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バーデン・バーデン祝祭のティケットを予約した。予定通りだが、一枚だけは余分になった。昨年も「悲愴」の日に一枚余分に購入したが、今回も一枚余分になった。先ずは安くて好みの席を押さえてしまうと、時間が経ってから後悔するのである。ゾリスティンに不満があったとしてもこれだけの名曲をペトレンコ指揮のフィルハーモニカーの演奏で身近で聞けるなんて、現時点ではこれ以上に求めるコンサートなどはないではないかと思い直すのだ。なればベストの聴環境を求めるべきではないか?

同じ会場でこのシェーンベルクの協奏曲はバレンボイムのヴァイオリンでギーレン率いるSWF交響楽団で聞いたのだが、あの時は平土間の横の窪んだ所が割安だったのでそこに座った。舞台に近い分、細かく聞け、視界もよく効いた。しかし隣のばあさんがシェーンベルクのサウンドで神経が遣られてしまって四六時中咳をした ― 要するに曲の緊張が高まるところで必ず遣らかすと、とても音楽的なのだ。日本のオタクならばなんというか分かっているが、そこは耳効きの私である、そのような雑音などはフィルターを通して楽音だけを聞き取る。ばあさんが特別に私に謝ったが、まあ緊張するなとあの年齢の人に言うのは難しいサウンドであり、音楽を学んだり楽器に馴染んだりしている人には余計にそれこそ医学的影響を与えるかもしれない画期的な創作だ。

それでもやはりあの管弦楽は視界が効かないところで鳴っていてもパラパラと鳴って音楽の輪郭が聞こえない ― 昨年聞いたシカゴ交響楽団でも楽譜を想い浮かべながら見えない音を吟味していた。そこでもう少し視界が効いて更に距離の縮まる座席を選択した。最初に購入した29ユーロの丁度階下になるのだが、やはり視界が全く異なることはソロコフリサイタルで昨年二列目に座って確認していた。しかし二列目は視界ほどには音響は良くなかった。やはり一列目を選んだ。そこはパトロン席のバルコン最前列よりも舞台に近い。価格は125ユーロであるが、ルツェルンの同価格帯よりも大分舞台に近いのが取り柄である ― 恐らくこの曲は本拠地フィルハーモニーやエルプフィルハーモニーの方が良いだろう。勿論価格差だけは視界と共に音響も良く、直接音が楽しめる筈だ。古典的な和声でないので、上手の奥の楽器音が何処まではっきりするかは分らないのは若干未知であるが、少なくとも物理的距離が近い分視覚を補ってくれる。

一方ランランの復活祭日曜日は最初から大分売れていて ― パトロンやスポンサーが被りつきを大量に買い込んでいるのが分かったので ―、それに対抗して、たとえあの下種な女流奏者が弾くとしても一枚でも多く買い込みたいところだ。それでも耳が一組しかないのがなんとも悔しい。本当は安くついたからそれでよいかと思っていたのだが、その売れ行きの悪さを見てもう少し援護射撃しようという気持ちもあった。また、例えば両方の席の額を合わせたぐらいのもう二つ上の席もあまりそれほど喜ばしくないのである。その一つが先に書いた窪みの席であり、若しくは正面第二バルコンの最前列なのだ。前者は音響に問題があり、後者もブルックナーなどの所謂鳴る交響楽ならば気持ち良い席なのだがシェーンベルクの場合はその音響に包まれるようなことにはなら無い。そこが違うのである。それならば距離が近い方が有利である。同じように平土間となると複雑な管弦楽が一望に見通せない。勿論二曲目のチャイコフスキーの交響曲ならば異なるのだが、そんなものは心配しないでも座付き管弦楽団がボンで弾いてもあれだけ鳴ったのだから、これはどこでも十二分だ。

スクリーンショットが語るようにランランのコンサートはいつも同じだ。最前列から平土間後ろに掛けて扇の様に上手側が売れ残る。これだけを見ていてもランランの聴衆は彼の手を見れば満足なだけで、ピアノの響きもペダルも何もない。要するにランランと同程度の教養の人達がその市場を形成している。そして私もいつもの安いサイドバルコンの下手側をなによりも先に押さえた。これで一安心だ。ワンがなにを弾こうが、二度チャイコフスキー五番をボンから続けて三回聞いてもよいのである。兎に角、席を押さえておくことが先決だ。

ナポリの偉大なマエストロの「レクイエム」も押さえた。この曲もカラヤンの最後のシーズンにフィルハーモニーでジュリーニの指揮で聞いて、フィルハーモニカーがこのようにごつごつと鳴るのかと驚いた懐かしい記憶が最後であり、今回も奇しくもラトル時代の終わりにムーティで聞けるのが嬉しい。オテロ指揮とはならなかったが、これで秋ぐらいからはヴェルディのお勉強となる。「オテロ」は、それでも平土間から売れていて、やはりこのオペラは人寄せ効果が強いらしい。結構なことだ。如何にも退任する支配人が得意とした手堅い市場の感じである。

夜になって売券の様子を確かめていると、復活祭後のコンサートがプログラムに乗っていた、とても生を聞いてみたい名手アムランがチェコのタカシュ四重奏団とマティネーを催して最前列でも僅か9ユーロしかしない。これこそ、もう少し近くで同じコンサートがあっても、捨ててもよいので、購入しておいた。



参照:
先の準備を整える 2018-03-16 | 生活
演奏会発券当日の様子 2018-03-07 | 雑感


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by pfaelzerwein | 2018-03-20 19:56 | 文化一般 | Trackback
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