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知らなかったなどとは

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暑さの山となりそうだ。早朝の約束があって、前夜の睡眠も足りていないので、走らなかった。30%を超える湿気もあり、予想される雷雨が待たれるところである。それによって早朝の22度まで気温は下がり続ける予報である。その後は、最高気温30度程度で、最低気温は金曜日には16度、最高気温も25度となる。来週は完全な秋ではなかろうか。流石に暑くなったためか、あまり見かけない蝶が寝室の窓際の壁に張り付いていた。そう言えば今年は乾燥しているから室内で蚊を見かけたのは一度限りだった。

ルツェルン行の準備もそろそろ始めよう。宿は再確認するがやはり予約してあるものが一番なようで乗り換えるならば同じホテルでキャンセル無しの5ユーロ引きだ。どうしても考えるのは二泊した方が良いかどうかだが、ホテルで前夜の興奮を夜食の飲み食いで冷まして、朝食を摂ってからも11時ごろまで粘って、その後の過ごし方に注意すればよい。車をあまり走らせないでゆっくりしたい。どうせ帰宅は午前様となる。

音楽祭の新聞評などを見る。例年よりも関心があるのはザルツブルクの音楽祭だ。一旦は、今世紀に入って初めての再訪を検討した位だからである。昨年のピーター・セラーズの「ティトゥス」の印象も強かったからである。今年は、後半にクリスティー指揮などのバロックを残しているようだが、それにしてもなぜ今頃モンテヴェルディなのか分からない。恐らくザルツブルクでの売券の確実な出し物という事が優先されたのだろう。ざっと見た感じではやはり「ザロメ」の話題性が高いようだ。土曜日に放映なようで楽しみだ。カステルッチ演出の露出度にも期待するが、それよりもサロメ役の新人がとても評判で一日で大スターになったとされている。残念ながらライヴではなさそうなので、カメラアングル上のハプニングなども期待出来ない。だからオンデマンドを落としても映像に関してはそれほど変わらないであろう。ヴィーナーフィルハーモニカーをヴェルサーメストがどこまで振れているかも注目したい。

先日のクリーヴランドからの「トリスタン」は前夜に留守録までしておきながら忘れていて最後の三幕は始めが切れた。それでも最初の30分ほどは大した歌声もないので、ニーナ・シュテムメの愛の死だけは堪能した。メスト指揮のクリーヴランドの演奏は最初の驚きが最後まで劇的感動には結びつかないのは、バーデン・バーデンでのラトル指揮ともそれほど変わらない。それにしてもあのこの操り人形指揮に似つかわしくなくとても歌い口が巧い。余談だが、アンドリウス・ネルソンスが「復活交響曲」のメロドラマ形式に言及していて、多忙な割にはポイントをしっかり押さえているのは流石だと思った。

最も真剣に読んだのは、イゴール・レヴィットの演奏会評で、「ハムマークラヴィーアソナタ」へのリサイタル構成の全体が素晴らしかったらしい。放送はなさそうなので残念だが、ソロリサイタルは比較的身近で機会があるので、留意しておきたい。前回のラゼェスキーとのヴィースバーデンでのレートナイトも悪くは無かったが、ポピュラー曲のプログラムも一度早めに聞いておきたい。

八月に入ってからの初日では「スペードの女王」の評が出ていたが、これもヤンソンス指揮であるから、その出来はそれ以下でもそれ以上でもないことは初めから分かっている。「知らなかったなどとはいってほしくない」と謂わざるを得ない批判が出ている。一体ヤンソンス指揮に何を期待していたのだろうか?ヴィ―ナーフィルハーモニカーではなくて、主兵のミュンヘンの放饗だったらとかも無意味で、そもそもオスロの交響楽団以上のどんな楽団を振っても結果は変わらないから、コンセルトヘボウには役不足だと評されたのである。それもオスロの当時から分る人は判断していた。玄人筋で今頃まだそんなことを本気で書く人が居るのは驚きに堪えない。

演出のノイフェルスが「サウスポール」での共演で満足したからか、ペトレンコ指揮「悲壮交響曲」の印象をもとに演出に当たったとされるが、これもヤンソンスにとっては面白く無かっただろうなのは当然である。それで結局記事は、月末にべルリナーフィルハーモニカーと訪れるキリル・ペトレンコが救世主という副見出しになっている。否が応にこの記事を目にするヤンソンスの気持ちは知れよう。何処かとっちゃん坊やのような風情のヴェテラン指揮者が不機嫌になって、じわじわと嫉妬心のようなものが喉に込み上げてくる来る暑い八月である。



参照:
Diese zwei Hände sind ein ganzes Orchester, JÜRGEN KESTING, FAZ vom 6.8.2018
寛容の海を泳ぐ人々 2017-07-31 | マスメディア批評
上野での本番などの様子 2017-09-20 | 文化一般


by pfaelzerwein | 2018-08-07 23:06 | マスメディア批評 | Trackback
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