「軍隊は殺人者」の罪91歳の指揮者ブロムシュテットが指揮して、ゲヴァントハウス管弦楽団とシュターツカペレドレスデンの二つの管弦楽団が合同でこの土曜日にライプチッヒでコンサートを開く。その記事をリツイートしようかどうしようか少し考えた。理由はこうした示唆行為の意味を考えるからだ。シュターツカペレはご存知のようにPEGIDAで扇動した指揮者ティーレマンが音楽監督であり、その楽団の多くはその旨に賛同しているだろう。つまりAfD支持者が多い。そして、今回のお声に対して賛同してやってくるのは「両管弦楽団で20か国を超えるという外国人奏者」を中心に、反AfDの楽団員である。合同演奏会であるから双方共から共感しない人などが先ず下りて、最大シュターツカペレからは過半数以下が参加するのだろう。幻想交響曲演奏の人員であるからそれよりも更に低い割合だろうか。しかし東独時代から監督であったブロムシュテットが指揮するとあって、思想信条に関係なく参加しやすい。これは指揮者の人徳だと思う。 そのように考えていると、ステートメント等の提示があった。そして完全に納得した。ドレスデンの方は劇場が母体となっている。中々微妙なところでPEGIDA扇動指揮者ティーレマンとは関係が無い。一応双方の顔を立てたという事になるのだろうか。それでも11月にドレスデンでも同じように開かれることから少なからぬ反響と影響は出ると思う。実際既に独ネトウヨのネット攻撃が始まっているようで、抵抗を感じる人も少なからずいる。個人的には老指揮者の考えやその思想信条をある程度理解している心算なのだが、既に書き込みにあるようになぜ幻想交響曲なのか、その前にエグモント序曲が演奏されて、指揮者の言葉があるので、そこで言及があると思う。 しかし思ったよりも、ステートメントの内容は、具体的でその立ち位置がハッキリしていてよかったと思う。第一に外国人の居ないドイツの管弦楽団などあり得ないことでもあり、その団員への強い連帯と配慮は分かり易い。流石にAfD支持者でもこの点に関して異議を唱える聴衆や楽員は先ずいまい。そしてブロムシュテットの宗教者としての分かり易さは少なくとも地元民には反論が出まい。しかしそれでも其れゆえの強固なプロテスタンティズムに反感を持つ人も居るだろうが、そこも含めてステートメントに「世界観の相違に拠らず」まで加えたのはよかった。これは意外にメルケルなどの連邦共和国水準では出てこない言葉ではなかろうか ― 要するに連邦共和国という世界観は保持されなければいけないからだ。 車中のラディオがシュトッツガルトから、そこの新指揮者のお披露目演奏会とその前に抽選で招かれた人々のための吃驚演奏会の様子を伝えた。結局七番イ長調とか、「レボレアーデ」とかが指揮者無しや指揮者のカスタネットを鳴らしながら演奏されて、楽章ごとに拍手となったのは如何に違う層の人が無料コンサートに申し込んだかが報じられていた。流石にカラヤン二世たるゆえんで、欧州ではアンドレ・リュ―の演奏会と二分するエンターティメント王を目指している。前者はブルックナーの交響曲9番を指揮することが無いのだが、こちらはベートーヴェンにしろブルックナーにしろお構いなしに指揮して、その技量もある。それが「シュトッツガルトの笛吹男」になる怖さである。一体この男とソニーは善良な聴衆を何処につれて行くつもりか?やはり力のある音楽ジャーナリストがガツンと打ちかまして欲しい。 「オテロ」の希望ティケットの配券のお知らせがあった。102ユーロなのに回廊一でまあまあだ。価格上昇にも拘わらず格をランク4、5にしたので、競争で有利になった可能性もある。以前は5、6が多かった。ヴァークナーほどにはペトレンコのヴェルディには金を出さないという人も居よう。それでもこの価格で後にネット販売で競うと可成り難しいだろう。もう一つは一日ペトレンコが振らない日を入れて、カウフマン特需を落としてくれたのだと思う。さてその日に問題なく行けるかどうか。 参照: ドレスデンの先導者 2018-08-29 | 歴史・時事 南プファルツでの事件 2018-09-07 | 歴史・時事
by pfaelzerwein
| 2018-09-12 03:28
| 歴史・時事
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