人気ブログランキング | 話題のタグを見る

利益背反のドレスナー

利益背反のドレスナー_d0127795_22454059.jpg
風邪ひきは、前日よりも楽になったが、買い物に行けなかった。微熱があったがそれはなくなっても、走りには行けなかった。また週明けに取り戻せばよい。しかし週明けからは雪模様になるようだ。まだ夏タイヤを履いているので、色々と週明けに準備もしておかないといけない。

ドレスデンのローカル紙が「復活祭人事」の記事を出した。声を潜めるとされるオーストリアに反して、シュターツカペレのドレスデンで話題を提供し議論の端緒となるものだ。毎度のことながら「指揮者ティーレマンが紙上を賑わすが、問題はドレスデンの人事でもバイロイトのそれでもない」と最初から断っている。新聞としては適切な書き出しかもしれないが、敢えてそうした導入にして匂わせる。勿論地元紙であり、実際に指揮者ティーレマンとよい関係を保っているのだろうから、決して否定的な論調はとらない。

それでも肝心なティーレマンのコメントをとれていないことから、あからさまに圧力を掛けている。つまり脅しまで使って「それなら辞める」と語っていたのに、なぜ辞めないのだと誰でもが思う。そして、そもそも2013年のベルリナーフィルハーモニカーのバーデンバーデンへの移転で、一朝一夜にして復活祭を救ったドレスナーであって、ベルリナーと違って同地でも愛されていると書く。

ベルリナーの北ドイツ的でクールでハングリーなのとは違って、オープンで心からのザクセナーであるからと態々語るのだ。そして、ティーレマンの下、復活祭でその名声を輝かなものとしたと、ザルツブルクでの仕事を総合評価している。その反面、オーストリアの「陰謀に長けた人たちの国だから何でもありだ」と結んでいる。

なるほど地方紙でもこれがマンハイマーモルゲンならばこの纏めは浮く。しかしドレスデンではここが結構効くのではなかろうか。その陰謀とは、バッハラーやザルツブルクに近しいミュンヘンの連中がザルツブルクの政治家と攣るんでいて、「ベルリナーフィルハーモニカーの再誘致の裏取引は信頼性ある噂だ」としている。これも結構火を付けやすい行かもしれない。

勿論東独の人たちは我々よりも新聞の行間を読み解く能力は長けていると思う。はっきりしているのは、この月曜日にティーレマン本人がその前言を踏襲して退陣の記者会見をして、「どこへでもドレスデンと一緒にいる」と言えれば世論は変わったと思う。その反対にここで地元新聞が客観的に「復活祭出演はシュターツカペレにとって栄光の時だ」と宣言している。これだけで、「2021年までの契約とそれの延長がされるべきシュターツカペレの芸術監督」がお飾り物になるのが復活祭であるとしていることと関心事の利益背反となっている。ここが恐らくこの記事の核心だろう。



参照:
新支配人選出の政治 2018-11-13 | マスメディア批評
敵はバイロイトにあり 2018-11-14 | 文化一般



by pfaelzerwein | 2018-11-17 22:47 | 文化一般 | Trackback
<< 無用の長物TV受信機 久しぶりのオテロ感 >>