マグナカルタの民主主義Brexit関連の記事を読んだ。暮れの記事だが気になったので脇においたのだ。見出しは「脳があるなら離脱する」で、残留派の牙城ケムブリッジに取材している。ここに来て国民投票の再実施など残留派の声が高まる中で、学内では僅かな声が離脱として新たに隠されているというのだ。つまり離脱派の発言をするとその学者の地位まで失いかねない状況で、匿名の論文などが出されているらしい。 その発言をする一人はフランスの歴史を専門とするトムブ教授で、もともとが独自の文化保全から全面的なEU派でもなく、ここに来て改めて表明した。氏の出自が所謂指導層や知識層ではなくて、左派リベラルにとって無教養で知能の弱い過半数の国民に属し、その声に耳を傾けない姿勢を批判している。そこには英国特有の歴史があって、大陸のように啓蒙された市民による民主主義ではなく、マグナカルタで保障された英国の民主主義があるという。 つまり、各層の指導者の声がオピニンリーダとなってとなるが - 私がここで昔から言及しているドイツにおけるオピニオンリーダー指導層と変わらないではないか ―、国民がそのようにして選挙をして国民投票で決めた事情を聞かずに、再実施となった場合は英国の歴史で初めてそのシステムの機軸を失うときとなるとしている。そのことこそがポピュリズムであるとしている。 そして英国政府の交渉が自らの道を示すことなく、EUの出す条件との闘争となっているのが問題であり、EUに関しては現在のユーロ圏に留まって更に集権化していく行くのではないかと予測している。 日曜日が迫ってきた。足元が覚束無くなってきた。気を紛らわすためにネットサーフィンしていると、地元紙に日曜から始まる連邦共和国ユーゲント管弦楽団五十周年記念ツアーが紹介してある。ルクセムブルク公演は殆ど券が出た筈だと前夜確認していたので不思議に思って、改めて残券状況を見る。なんと舞台の作り方で今回は出ないと思っていた席が出ている。そもそもルクセムブルクに行くつもりが、途中でエルプフィルハーモニーの券が二枚入ったものだから、どちらでもよいと思っていた。売り出し開始の日に狙っていた席が出なかったので放っておいた。するとクリスマス前に予想通り割安席として出た。オルガンの下の席である。さもなくば最前列を狙っていたのだ。そしてそれが今回出た。要するに齧り付きだ。 しかし、向かい側を押さえたので文句はない。実はエルプフィルハーモニーもそれだったが距離が全く違う。今回はペトレンコの合図のティーンエイジャーへの目線が見所だ。勿論指揮もいつも以上に丁寧なキューが出ると思う、そして「春の祭典」の変拍子の深い拍。また特に初日の事故時の対応が楽しみだ。だから楽譜が頭に入っていないと面白くないのだが、私のような凡人には難しいと思う。オペラ劇場でもフィルハーモニーでも拝めないものを見てきたい。 通常はルクセムブルクの価格は割安なのだが、今回は割高になっていて、その辺りの管弦楽団と同じぐらいの価格で、フィラデルフィアやクリーヴランドより四割だけ安いのだ。だからまだ完売していない。北ドイツから親御さんが来るにも遠い。だから我々のような特殊な関心を持っている者が特殊な席に勢揃いするような気もする。これで同時にエルプへの期待は大分小さくなって、殆ど会場見学と翌日の観光、劇場行に重心が若干移った。初日と二日目のドルトムントの間での変化が三日目に出るのか、最終日のベルリンでなのか? 今し方バーデンバーデンからメールが入った。ランランが曲目変更を申し出て、フィルハーモニカーと復活祭が了承して、キリル・ペトレンコも即座に了承したという。ベートーヴェンの協奏曲三番から二番になる。楽譜をまだ見ていないので分からないが、印象としては三番の方が左手が重要な気がするがどうだろう。ここに来ての申し出だろうか、憶測を呼ぶ。ペトレンコの三番は既にレパートリーとして定着していたので、二番となると急遽更なる時間が必要だ。管弦楽団も指揮者にとっても負担は若干増える筈だ。調べると同様のものを世界中で弾いているので既に決まっていたようだ。どうして今頃になって発表になったのだろう。復帰後の演奏を見ているともう来ていらない。調子を崩して代わりに誰かが入ってくれる方が嬉しい。あの程度のピアノを聞いても自慢にもならないからだ。しかしペトレンコもよく引き受けたと思う。シェーンベルクの日が売れないからとそこまで譲歩する必要があったのか?こちらとしては思いがけず新たなレパートリーとしてベートーヴェン演奏を聞けるのはお得である。 参照: 職人魂に火をつける人 2018-08-27 | 文化一般 興業師からのご挨拶 2018-12-21 | 文化一般
by pfaelzerwein
| 2019-01-04 03:28
| 歴史・時事
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