人気ブログランキング | 話題のタグを見る

歴史的な記録を残す

歴史的な記録を残す_d0127795_23143571.jpg
燃料を安く満タンに出来そうだ。それだけで差額は大きい。さて幾らになるか?ミュンヘンから帰宅した早朝にユジャ・ワンが演奏した現場にいて観れなかった番組が放送される。録音だけしたいのだ、折角だから止められているネットの苦情を出しておいた。あまり期待はできないが、放っておいては埒が明かないので苦情だけは入れておかないといけない。

キリル・ペトレンコの就任お披露目コンサートは8月25日と新聞にある。日程的におかしいなと思って、ザルツブルクの公演を見ると丁度その夜は一回目の公演だ。つまり24日土曜日が正しいのだろう。第九の演奏会で、翌日午前中に飛んでザルツブルク入りなのだろう。合唱団を含めて過密スケデュールである。若しくは土曜日をマティネーとして、その日のうちに飛んでしまうのだろうか。ただ一回の慌てた公演ということで、一寸不思議なお披露目になるのか?

新聞のネタは会場周辺の閉鎖のことについて書かれていて、南、西からやってくるものは金網沿いの不便なアクセスになっていて、シャローンヴェ-クは出来上っているのにも拘わらず、閉鎖されているのは自転車道路への認可検査が終わっていないからという。当分工事現場状態は続くようだが、上のお披露目に合わせて全てが完了する見込みらしい。

演奏会自体は、マルリス・ペーターセンも歌うルル組曲に始まって、第九で開幕となるのだが、昨年の二日目があったのに比べると若干ベルリンの人には物足りないのではなかろうか?更に初日は関係者などの招待も多く、当日の券を入手するには定期会員など何かに属していなければ難しいのだろう。演奏会自体は中継されるので ― 恐らくパブリックヴューイングでも ―、世界中で多くの人が観ることになる。しかし、このプログラムだけで、ツェッチマン支配人が語ったようなモニュメンタルなお披露目となっているかどうかは疑わしい。上の情報の不正確さも相まって、やはり何かそれ以外にあるような気がする。少なくとも公開練習とかが事前にあるのではなかろうか?

ベルリナーフィルハーモニカーが古いフルトヴェングラー指揮の放送録音のオリジナル磁気テープを新たにデジタルリマスター化して販売している。興味深い録音も少なくないようだが売値で220ユーを超えている。何枚組か知らないが箱も大きく場所も取るので到底手が伸びない。欲しいものだけを欲しい時にDLするぐらいでいい。ネット配信は嫌いであるが、こうしたものは公共の財産としてリマスターリングも何もかもできる限りヴォランティアで賄って、無料で提供すべきものである。この辺りがそもそも端から経済的に破たんしているデジタルコンサートホールの限界だと思う。こうしたもので売り上げを上げようとするのは見苦しい。

それに引き換え、音質は悪いかもしれないが、ロスアンジェルスのシェーンベルクセンターのサイトでは無料で古い録音が聞ける。これも音質的に整備すれば金が掛かるのかもしれないが、特に自作自演の歴史的録音としての価値は高い。そもそもシェーンベルクが生活のためとは言いながらこれだけ頻繁に指揮をしていたとは知らなかった。これとフルトヴェングラー指揮の録音との商業的な価値の差は大きい。

なるほどキリル・ペトレンコは1920年代台ごろのフィルハーモニカーのレパートリーに再び光を当てるためにフルトヴェングラーの演奏記録を研究しているが、精々それ以前の管弦楽の鳴りを研究するぐらいで、いざシェーンベルクなどを指揮するとなると俄然こちらの録音の方が価値が遥かに大きい。

そのグレの歌の「野鳩の歌」の方もいいが、「浄夜」がなぜか全く異なったニュアンスで演奏されている。この辺りもまだまだ比較的盛んに取り上げたカラヤン指揮の弊害が残っているかもしれない。ペトレンコ指揮の初期シェーンベルクにはそれほどの期待は無いが、徐々に系統的に取り上げて行ってくれれば新たな巨大な山脈がそこに聳え立つことになる。

奇しくもミサソレムニス公演を超えて、シェーンベルクのヴァイオリン協奏曲の準備を始めたことになった。それにしてもコルニルドレの練習風景は何だ。あのヴィーン訛りのブロークンな英語かドイツ語か分からない指示は。真面目腐ってインタヴューに答えているようなものしか聞いたことが無かったが、そこに可成り強い印象を受ける。



参照:
Der Weg zur Philharmonie wird zum Parcours, DerTagesSpiegel vom 19.2.2019
心より出でて、心に入らん 2019-02-19 | 文化一般
黒い森からの今と昔の像 2018-10-21 | 文化一般



by pfaelzerwein | 2019-02-19 23:20 | 文化一般 | Trackback
<< 決定過程を明白にする 心より出でて、心に入らん >>