人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ワークインプログレス

ワークインプログレス_d0127795_5414716.jpg
パリからの中継を観た。またまた頭の悪そうな歌手が歌っていた。今時あのようなヴォ―タンを歌うのは余程舞台を知らない人だろう。それはどうでもよいのだが、一番の関心事は指揮者のハーディングである。その名前も、少年時代のこともよく聞くが、興味が無かったのでその指揮はあまり知らない。一度パリ管での中継を観たぐらいだ。その時と同じ印象で、その私生活でのエアバスパイロット振りとは遠く離れていて、動性が無く静的な指揮をする。その問題点は大凡分かったが、折角決めれるところでアインザッツをしっかり叩けないのが痛い。

ラトルにおける問題とはまた異なるが似ているところもある。しかし同じ年齢でのラトルの方が遥かに良かった。ベルリンでも頻繁に呼ばれているが、あの指揮にはこれだけの交響楽団は勿体ない感じがする。彼もサロネンと同じようにストックホルムからロスフィル、ロンドンへと、そしてサンフランシスコになるのだろうか。これまた似ているところがある。たとえ総合的にハーディングの方を評価するとしても、サロネンは少なくとも若い時はもっと動性が高かった。ハーディングのプログラミングはバーデンバーデンでもやっていたようにフィンリーとの歌曲とか面白そうなものがあるのだが、こちらを納得させるまでの説得力が無い。まさにその指揮の通りである。そしてヴァークナーなどを振るようになるとサロネンの失敗を先取りしているようなものである。下らない管弦楽などは初代バイロイト音楽監督に任しておけばよい。

コンセルトヘボー管弦楽団の次期首席候補としてハーディングの対立候補になっているのがザヴィエーロートである。こちらはSWRで振っていた時に聴いているのでその弱みも分かっている。レートナイトで聴いたラヴァルスは期待外れだったので、今回は評判がとてもよいながら、BBC3でオール・ラヴェルプログラムを聴くまでは疑心暗鬼だった。しかしここのところの快調を裏切らず、以前には出来ていなかったことが出来るようになっているようだ。しかし一番大きいのは自身の楽器集団のお蔭で奏法への拘りとその指示が徹底するようになったのか、音の断面がとても磨かれていて、丁度対抗馬のハーディングが成せていないところが鮮やかである。

特に興味深かったのは「ボレロ」をワークインプログレスの4m33sと同じコンセプトの画期的な創作としていて、実際に演奏も最後に吹かせていたので思い通りの演奏だっただろうか。SWRの時はあれが全く出来なかった。不思議なことに、どこででも語っているように、今の方が忙しい筈だが、準備が行き届いている感じがする。ハーディングは兎も角、何回も書いているようだがサヴィエーロートの方はここが勝負所である。

他人事ながら気になるのでちょこちょこと観察していて、騙されたと思って、BBC3を紹介を呟いたら、いつものように隠れフォロアーのロート氏が早速反応した。そしていよいよ観念したかに見えて、表フォロワーになるように決心したようだ。その背景には部外者の我々が感じるように、その必然性が出てきたからで、ベルリンでペトレンコが振らないようなプログラムを仰せつかうだけでなくて、バーデンバーデン復帰が既に確定しているのかもしれない。少なくともこれまでは関係が無くても新支配人スタムパはコンタクトを取ったと思う。関心事はブーレーズ祭りであって、こちらは2025年が生誕百年となる。余談ながらルイジ・ノーノが一年早い2024年となるので、こちらはミュンヘンの新体制が企画しているだろう。



参照:
茹で過ぎにならない実力 2019-04-07 | 料理
「デキる係長」の考え 2019-02-27 | SNS・BLOG研究
by pfaelzerwein | 2019-05-02 05:42 | SNS・BLOG研究 | Trackback
<< これが三度目の正直か 平和への会見の言葉 >>