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ブランデンブルク門を臨む

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ベルリンで月曜日から練習が始まった。キリル・ペトレンコ指揮就任演奏会の練習である。その状況は今日明日にでも放映されると思うが、今回は二日目のブランデンブルク門での大イヴェントにも注目が集まる。

火曜日のベルリナーフィルハーモニカ―の支配人ツェッチマン女史の会見では、その準備に二年間も費やしたとあったようだ。NDRの楽団担当だったツェッチマンにとっては、今回放映パートナーのrbb支配人シュレジンガー女史は謂わば同僚だったようで、二年前から相談していたという。この間乗り越えて解決しなければいけなかった事項は35件に及んで、警察、消防など主に安全対策などの面からのお役所仕事の様である。だから当初から「新指揮者ペトレンコのお披露目の為には大規模な催しとしたい」と語っていた。曲目に関しては千人の交響曲ぐらいかなと思っていたが、第九だったのである。しかしそれもブランデンブルク門でとなるとオープンエアーでも通常とは異なる。

当日は三万五千人の聴衆が詰めかけると見込まれ、更に晴天が予想されている。全ての人が無料で、A3サイズ以下ののみの大きさの持ち込みと必要な手荷物検査の上、18時から場所取りが出来るようだ。しかし、その大きさから折りたたみ椅子などは持ち込めないので、演奏が始まる20時16分までは立ち通しとなるらしい。これは当夜のrbbTVで晩の「ターゲスシャウ」が終わって、rbbが「ブランデンブルク門へ」とアナウンスすることを以って始まるからのようだ。会場へはペットボルトなどは許されてもビンは持ち込めないので、そこの売店で補給するようになっている。様々な情報を総合すると、地元放送局などでも応募募集しているようにVIP席は設けられていて、門のところに若干座席を作るのだろう。

二人の支配人が窓から門を覗く写真を見るとアドロンホテルのその向きの部屋は皆観覧席となりそうだ。さて肝心の音響は、勿論PA無しには放送もPVも不可能であるが、rbbが責任を以って執り行う。60人体制で、60本以上のマイクをぶら下げて、11台のカメラが投入される。昨年のベルリナーシュロースの中庭での中継からすれば、勿論今回の方が遥かに条件は厳しいが、大いに期待できる。これで分かるように、例えば先月のミュンヘンでのアメリカンプロの節は弦楽器にミニマイクが付けられたが、今回は正攻法な集音となるようだ。施設する総ケーブル長は五キロメートルにも及ぶらしい。

そうした中で態々アルバン・ベルク作曲「ルル」組曲から演奏されるというのが俄かに信じられないのだが、これはなにも歌うマルリス・ペーターセンが得意としたルルの役の歌を歌わせるためだけに選曲されたものではないだろう。その心は、未完・補完版オペラ「ルル」を纏めた組曲の構成にあると見る。期待は膨らむばかりである。こちらまでが武者震いをする。

ベルリンの壁が崩壊して30周年。あの時、指揮者ペトレンコはシベリアの故郷の小さな町に居たのだろう。ツェッチマン女史はアビテュアーに合格して丁度アメリカに居たらしい。そしてそこでニューヨークタイムズのインタヴューを偶々受けたという。私も報道で冷ややかに見ていただけでベルリンには敢えて近寄らなかった。あの時のバーンスタイン指揮のそれとは今度は何もかもが違う。

もう一つ、この計画でキリル・ペトレンコが支配人に尋ねたようだ。「国立図書館に入れるかな」と、そしてそこに手書きの総譜の一つがあって、そのコピーも備に調べたという。その結果が出るかどうかは聞いてみないと分からないと報じている。ツェッチマン支配人は、自らのキャリアーにおいて最もやりがいの仕事の一つと語る。さて何もかも成功へと導かれるか?

ミュンヘンからコルンゴールト作曲「死の街」新制作初日の当選の知らせを受けた。最高金額公演なので他の公演日に比べて同じ席でも40から66ユーロも高い。何か特別にお土産がある訳でもないが、しかと見届けたい、音楽監督としては最後から二つ目の初日である。もうあとは初日だけ行ってもいいぐらいだ。



参照:
イヴェントの準備をする 2019-05-16 | マスメディア批評
聴衆の一体感を再確認 2019-08-17 | マスメディア批評
by pfaelzerwein | 2019-08-21 23:06 | 歴史・時事 | Trackback
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