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プログラミングの決定権

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ザルツブルクの復活祭芸術監督ティーレマンがザルツブルク州に書面を出した。その内容が火曜日に地元紙で公開された。7月29日付けの書面である。

先ず、2022年以降の全体のプログラミングの決定権は、支配人に就任するバッハラーではなく、芸術監督にのみあることを明白にして、保証することを求めている。具体的には、「ローエングリン」をべチャラ、ジャクリーン・ウェグナーにエルザ、パンクラトーヴァにオルトルート歌わせるとするもので、2023年はカタリーナ・ヴァークナー演出の「エレクトラ」でパンクラトーヴァを使うという構想である。つまり今の時点で主要歌手と契約してしまわないと機会を逃すという事である。ざっと見る限り対抗馬のバーデンバーデンでは不要な陣容である。そもそもこれはバイロイトでの陣容ではないか。

それに対してバッハラーは、地元紙によると、ロマンティックオペラに限定してウェーバー「魔弾の射手」とか「タンホイザー」とか「オランダ人」を提案しているようだ。それに対して、例のジャーナリストのテイール氏などは「イタリアからのお客さんにはドイツ語台詞のものは拙い」とか書いている。つまり、今年の「マイスタージンガー」などの様に受けるものは受けるが駄目な演目は駄目だと。私などは、どこまで本気か知らないが、その器量にあった作品をやらせて最高の力を発揮させるのがプロデュースだと思うので、その提案は確かだと感じた。

そしてティーレマンは書く、芸術的な責任をもっている指揮者のプログラミングに対して外からちょっかいを掛けさすなどは以ての外だと続ける。

そこでいつもの根拠のない話が繰り返される。つまり「ペトレンコと一緒にべルリナーフィルハーモニカーがザルツブルクに戻る」という事で、それも不思議なことにいつも同じように「バーデンバーデンでは手に余るようになる」という予測が繰り返される。それどころか、「バーデンバーデンではフィルハーモニカーがギブよりもテークしているからだ」とおかしな根拠となる。勿論バーデン・バーデンは最初から喜んでこの条件を受け入れている。要するに、フィルハーモニカーは、合意したプログラムを最高度の音楽的な水準で示すために準備して、オペラ上演に日程を割くという事でしかなく、祝祭劇場がお膳立てを整える。つまりフィルハーモニカーにとってはザルツブルクに戻る必要などは全くないのであり、この契約条件は前任者ラトルの口からも発せられていて、悪い条件提示しか出来ないザルツブルク側が発する根拠とはなりえない。それどころかティール氏も、ザルツブルクはカラヤン時代にはベルリン市からの助成が出ていたが、それが無くなったために公的な援助を受けられなくなったとある。出て行くだけの要因はあった。

兎に角、9月17日にザルツブルク州の臨時総会が開かれるので、そこでこの問題について議論されるとしている。

余談ながら、指揮者のネルソンズのボストンでの契約が2022年に終わるとあった。そこで契約延長しない可能性は強いと思われる。ボストンはロート氏などを既に試している。もう一人の大物指揮者のヴェルサー・メストと共に去就が注目される。



参照:
新支配人選出の政治 2018-11-13 | マスメディア批評
敵はバイロイトにあり 2018-11-14 | 文化一般
by pfaelzerwein | 2019-08-22 04:38 | マスメディア批評 | Trackback
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