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吹っ飛んだ休肝日

朝早くは雨が降り、風も強かった。そのためか、谷筋にあるモイスヘーレの地所はぬかるんでいた。数件の様々な醸造所が、キーセルベルク周辺の地所で枝落し作業をしていた。

何処の醸造所も精々二人ぐらいで作業をしていて、一人で乗用車を停めて作業している者が多い。葡萄の摘み取り時期のように急いで一斉に作業をすることがないので、出稼ぎ者ではなくて殆どが地元の人間のようである。

作業は特別急ぐ必要がないようで、枝を切る音が、蔓を這わせる針金を揺らしながら静かに響いている。協同組合の者はエアー補助式の刈り挟みを使っているようだ。何れにせよ植木屋と同じで良く刃を磨いでいないと意味はなかろう。

温度は高いといっても雨上りには、余程物好きしか歩いていない。先方も静かな作業をしているので、枝落としの間に顔を合わせて会釈することになる。こちらは、勝手にこうして静かに歩いていると、まるで作業状況を確認する検査官のような気持ちになっている。

昨年の春から頻繁にワイン地所を散策しているので、春まで歩くと一年を通して葡萄の成長を見守ることになる。枝落しの時期は済んだところとその前の風景の相違が大きいと、バッサーマン・ヨルダンの店先で新年の挨拶の後、話をした。

区画から区画へと歩くと、枝落しが済んだ左手は厭に風が抜けて清々しく、春の兆しを感じる。しかし道の右側は、まだ終えていなく、空気が淀み雨上がりの湿気が充満しているようである。これで雪が来れば、抵抗の大きい枝落しの済んでいない葡萄はやはりダメージを受け易いだろう。

最も感心に枝落としを早く終えているのはフォルストのモスバッハ醸造所である。その差が直ぐにワインの質に跳ね返るとは思わないが、そうした小まめな畑作業は万事につけよい結果を齎すに違いない。少なくとも2006年にはその恩恵が表れていた様に感じた。

リッターヴァインは、クリスマスに既に購入出来ていたようだが、キャビネットのリッター瓶は二週間先ほどに試せるようだ。キーセルベルクのキャビネットも愉しみである。

外は再び強い風が吹き出した。休肝日も吹っ飛んでしまった。2007年産のOBAリッターヴァインを飲みながら、枝落としを終えていないホーエンモルゲンの写真を眺めている。
吹っ飛んだ休肝日_d0127795_354834.jpg

by pfaelzerwein | 2008-01-09 03:55 | 試飲百景 | Trackback
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