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郵便貯金の分け前と負担

小口口座数ではドイツ一のポストバンクの三割の株式をドイツェバンクが取得した。この事から残りの株式取得の優先権を持って、遠からず民営化された郵便貯金は買収することになった。株式の暴落が、長く継続していた買収交渉に拍車をつけたとある。

これにて先日のコメルツバンクによるドレスナーバンクの吸収に続いて、ドイツの銀行が世界的競争力を得る構造改革の布石が出来た。民間両銀行の吸収作業については、吸収された方から本日郵便にて個人客に宛てた重役署名の手紙を受け取った。そこでは今後合わせて1200の国内最大の支店数のネットと、アリアンツ商品の扱いの継続を挙げているが、それよりもなによりも本格的な業務移行に伴って人員の整理と効率化による業務向上を期待したい。

それに対して、ドイツェバンクのポストバンク吸収はもともとも主力市場が異なるので容易ではない。個人客の顧客層の違いや、現在も人員として配属されている郵政役人やその業務の相違は甚だしく、既に興業銀行と裕福層の個人客銀行としての両立に試行錯誤を繰り返しているドイツェバンクがポストバンクの業務領域を十分に今まで欠けたいた領域として生かし且つ収益率に結び付けて行くのはなかなか難しそうだ。

コメルツバンクは、調印に至るまでの二月間を六十人の調査専門家にドレスナー銀行の帳簿を調べさせたと言うが、ドイツェバンクは何もしていないと言う。経営上それほど悪い要素が隠されているとは思わないが、元々が公共機関であっただけに、民間では思い掛けない面倒な事も存在するような予感もあり、全てが出尽くすには時間が掛かるであろう。

そして移行が順調に進んだ時に、今度はその個人客市場における地方自治体の貯蓄銀行や農協銀行との競争が、一方では世界戦略が最も重要なドイツェバンクにおいてどのように位置付けられていくかが興味深い。



参照:
買えるときに買う投資 [ 雑感 ] / 2008-09-04
新自由主義社会の道程 [ 雑感 ] / 2008-08-30
by pfaelzerwein | 2008-09-13 00:30 | 雑感 | Trackback
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