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ふにゃふにゃしない加齢

グランクリュを開けた。オペルのリュッセルスハイムにマイン河を挟んで面するホッホハイムの2007年産ドムデカナイである。

開けた理由は、恐らく早飲みのエルステス・ゲヴェックスであると思ったからで、やはりその印象は強まった。昨年の秋に試飲した時との違いはそれほどないが、若干酸が丸くなって仕舞って、苦味のようなものが表面に出て来ている。

若干オイリーな香りはペッパーの味とバランスが良いが、酸が落ちていくと重みが増してくるようでどうしても飲み頃を慌てる。二年目までは恐らく問題ないが、四年後になると熟成感が出て来てしまうだろう。

元々同じ地所のシュペートレーゼは、その果実風味も感じさせない程の辛口とパパーミント風味が取柄だったのだが、あまり長持ちさせるようになるとやはり魅力が薄れるであろう。

二年目までに楽しむワインとして20ユーロは決して安くはないが、二年後に十分楽しめるリースリングはこの価格では数少なくなって来ているのも事実である。一寸気が利いたグランクリュは25ユーロほど出さないと買えなくなって来ている。

その点から先日試飲したビュルックリン・ヴォルフ醸造所のピリュミエクリュは良いヴィンテージなら四年から更に力強く上向くものが多く、今やその価格16ユーロは破格の安さと言えるだろう。

1999年産のオーナーの蔵から放出されたグローセスゲヴェックス・リースリング・ホーヘンモルゲンの価格は44ユーロと言う。2007年ものが36ユーロであるから、高いか安いかは何とも言えない。フランスワインの事を考えれば世界最高級のまだ「新鮮」なリースリングがこの価格で飲めるならば、余裕があれば負けず嫌いで試してみたいのだ。

1999年産イエズイーテンガルテンが52ユーロである。これならば26ユーロの2007年産グランクリュを二本買って、三年ほど開けて二度に別けて飲むほうが愉しめる。

2001年のホーヘンモルゲンを飲んでの感想を読むと、なかなか開かなかったことが伺われて、一つはサーヴィスする温度の問題と、もう一つはエアーリングのことが察せられた。温度は、飲む環境にもよるがやはり摂氏14度ほどがもっとも良いような気がする。またそれだけ閉じているならばやはりデキャンタすべきであろう。デキャンタしてふにゃふにゃするほどのワインでないことがその感想を読んで判ったのであった。逆にデキャンタ出来ないくらいなら加齢で十分な化学的結合がないという事にもなる。基本的にはドイツワインは赤白ともなぜか硬い。酸の強さでもあろう。
by pfaelzerwein | 2009-03-09 05:59 | ワイン | Trackback
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