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手を出さずにいれない特典

ネットの買物籠に永く同じCDが入っていた。そこへ期間限定の送料無料の電子メールが入ってきた。お目当ての物の価格なども記憶がないので、もしや売り切れていないか、それとも他に面白い安売りものが見つかるかとサイトを訪問する。

幾つかの新たな特売品が目を引いたが、CD一枚9ユーロが主で、飛びつくほどのものは殆どない。それでも二枚組みでその価格となると、それも些か思い出のあるプロダクションの録音だと思うと食指が動いた。

プッチーニのオペラ「マノンレスコー」である。イタリアオペラにはそれほど熱心ではなく、決してプッチーニファンではないので、いわゆる名演というようなはまった公演よりも故シノポリ指揮などの交響的にも興味を抱かすものが良い。ヴィーンの歌劇場公演が良い思い出となっている。録音は、ヴィーンではなくロンドンでの交響楽団との制作だがなかなか良さそうである。態々高いものを買うことはなかったがこの価格なら取り寄せようと思った。

そうこうして、お目当ての商品と合わせると28ユーロほどになる。これなら送料無料で送ってもらえばお徳かと思って、ふと自動車クラブの機関誌を覗くと注文しようとするドイツ最大のメディア販売業者jpcの割引優待情報が載っているではないか。前からそのようなものを見たような気がするがそこを凝視することはなかった。そして、毎四半期に6ユーロづつ割引券を貰えることが分かった。そして三月も終ろうとしている。

但し、29ユーロ以上の買物に対してのそれである。それならば、6ユーロばかりのCDを探して籠に入れれば只でそれが貰える事になる。早速、安売りのリストを探すと適当な商品が出てきた。バッハファミリーの音楽を集めたゲーベルのムジカ・アンティク・ケルン活動最晩年の録音である。これも声楽を主とした同様の企画のコンラート・ユンクヘーネル指揮の演奏会で売られていたもので、声楽物の録音を補完する形で制作された二枚組みの一つである。売り出し当時の高価そうなCDを覚えているので、只で貰えるとなるとどうしても手が出る。

〆てCD五枚で28,97ユーロ、更に上手く行けばカードの支払いは来月末。兎に角、最終的にこれだけのものがCD一枚当たり6ユーロを割るのだから手を出さない手はない。

さてお目当てのCDは二枚組み18,99ユーロと比較的高価であった。それで躊躇していたのだが、デジタル録音初期のものをリマスターリングしているらしい。つまり当時のPCMマスターから簡単にCD規格へと落としていたものを最近の方法で転換しているのだろう。ネットで視聴してもこれほど鮮烈な録音だったかと驚いた。こうした録音にメディア業界が大金を投資していた最後の時期である。シェーンベルクの未完のオペラ「モーゼとアロン」の録音は手元にもブーレーズ指揮の旧版などがあるが、今回のショルティー指揮シカゴ交響楽団のものが、触りを聞いただけでも、これほど実体感のあるものとは思わなかった。丁度CD導入とLP時代の端境期に発売されていたので、意外に隠れた名録音ではないかと期待している。



参照:
生半可にいかない響き 2008-12-08 | 音
忙しい時はいやに忙しい 2008-11-15 | 生活
by pfaelzerwein | 2009-03-23 03:28 | 生活 | Trackback
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