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効きが悪かったヴァイツェン

昨日は、初めて会の長距離ヴァンデルング会に参加した。12時間半ほどの行動時間でいくつもの谷を越えて戻ってくると63KMの距離となるというものだ。関西の山登りの輩には六甲山の全縦走として50KMを越える距離を歩くものがあるが、それと比べると最高到達点は300Mほど低いが、上り下りを総計すると登る高度差は大体同じぐらいになるだろうか。

朝四時に起きて、六時には歩き出したが、結果から言うと完遂出来なかった。数少ない五人の参加者の足並みが揃わなかったので、一人が落伍して結局20KM短縮された。それでも、爪を二つ真っ黒にして、水ぶくれにはならなかったが足に膨らみを作ってしまった。アルプス用の靴ではやはり硬すぎてスピードが出なかった。

偶々あと二人の男性参加者は185CMを越える長身であったために、普通に歩いてもやはり早い。すると此方は、歩数を上げるか歩幅を広げるしかない。前者は心拍数が上がり心肺機能に負担が掛かるので、やはり後者のために柔軟に足出しが出来る体や靴の柔らかさが要求される。途中の町に下りるときに果実を取りにやって来ていた70年代にヨセミテ経験のある毎水曜日の仲間に出会ったのだが、私自身の目標には体の柔軟性がなによりも求められるところである。

今回は心拍数を上げることはなかったが、歩き始めの靴の足の収まりが悪かったことや、心拍数が上がらないので逆に意識が朦朧とし出したことなど今までにない経験もした。普段から歩く癖を付けているお蔭で、足の動きが止まるようなことが無くなったのは成果であるが、上のような課題も見えてきた。

今回の催し物も毎月のそれのように新聞で公募されていたのであるが、結局新たな参加者どころか期待していた者も参加しておらず、如何にもこうした挑戦をする者が少ないかと思わせた。秋には合わせて累積高度差2500M距離50KMを走破する会があるのでこれもよい機会と狙っている。

昼食のレヴァー団子にクラウト5ユーロとビールは身体に水のように沁み込んだが、クリスタルヴァイツェンはガスが多いのでやはり身体に溜まった。その後は、暑くアルコールは飲む気がせず炭酸割ジュースとした。最後の残りを勧められた梨入りのチーズケーキにコーヒーも大変美味く、帰ってからもあまりアルコールを飲まなかった。一体健康なのかどうかは分からないか、麻酔効果を求めてアルコールを飲まないようになったということでもありこれはこれで健康的なのだろう。

それでも谷の途中でラインヘッセンとプファルツの境の地域のワインを試飲した。ノイシュタットの職業学校の一期生の娘達が依頼を受けて広報活動をしているのである。その場所柄からつまりその土壌からどのようなワインが出来るかは重々承知していて興味はないのだが、強制剤として無料で口を濡らすのも悪くはない。一口だけヴァイスブルグンダーを試した。香りが大変強く、明らかにある種の醸造方法を使用しているなと思わせた。その冷んやりとした喉越しが良かったが、流石に直ぐに化けの皮が剥がれた。その残糖感でアルコール度も上げた醸造の裏が見えた。因みにこのワインは州の銅賞を獲得していたが、今やワインはそのクラス別けでなく、そもそも商品種別が異なる。そのような商品を現代のドイツワインとして楽しむのは、職業学校の娘の美しさで満足する気持ちと変わらないであろう。そうしたものを、文化というのか美というのかの、美意識の問題なのである。

そう言えば前夜に訪れたアルペン協会支部の月例会で、「一杯しか飲んでないのか?」と何時もの飲兵仲間に言われたのでその真意を訊ねると、「そりゃー63KMは 駄目だ、ビールが足一本分しか効かないから」と言われた。
by pfaelzerwein | 2009-05-10 16:15 | アウトドーア・環境 | Trackback
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