カテゴリ:試飲百景( 143 )

しぶいゼクトを購入

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朝の車中のラディオや夕刻のそれは可成りの時間を割いて、日本人の月旅行とその背景などを報道解説していた。なによりも興味を持ったのは芸術家を四人招待というところで、どのような人が応募するのだろうか。旅の危険性だけでなく、準備に体を動かさないといけないことなので、それだけで限られてくるのではなかろうか。昔から王侯貴族に旅行に連れられて行った芸術家が、どのような作品を後世に残しているのか知りたいと思う。

次の試飲会の前に防備録。ナーへでは、例年のように先ずはデーノッフ醸造所で予約していたワインを回収した。予約と言っても試飲会に行けなかったので予約できなかった。その分残り物を少し押さえておいたのを回収した。ベーシックのグーツリースリングも残っていたので三本ぐらい足した。それほど良くは無いのだが、数が少な過ぎるので買い足したことになる。お目当てはその上のシーファー土壌のトンシーファーと称するリースルリングで幾つかの土壌のものを集めているのでそれほど個性は強くないが、2017年産は酸が効いていてよかったのだ。例年は重すぎる傾向がある。グローセスゲヴェックスの代わりとはならないが、足しにはなる。

さて本年は遅くならないように時間的余裕を以って出掛けたが、結局二件目の更に山奥のシェンレーバー醸造所に着いた時には既に試飲会は始まっていた。こちらは2017年は初めてグローセスゲヴェックスをケース買いした。昨年は仮注文をしていなかったので入手できず、この春に一つのグランクリュ地所「フリューリングスプレッツヒュヘン」の出来を確認していたからだ。逆にもう一つの青シーファーのヘレンベルクは問題があった。春の時に確かめたそれが再び閉じていたのは、樽試飲と最終のビン詰めとの違いだ、つまり時間が経って瓶熟成するとどうなるかが分っている。とてもクリアーで私好みなのだ。

その話しをザールからの夫婦と話をしていた。地元であるからファンフォルクセム醸造所も良く知っていたが、彼らは昔の濁りのあった時の方が食事に合ったと全く反対な意見だった。これはどうも何とも言えないが少なくともそこの醸造所のワインがここ暫くで変わってきたことはこれでハッキリと証明された。醸造所自身が認めていなくて、ある意味認めたくない理由があるという事だ。

その他では、2015年産のリースリングが詰められたシャンパーニュ風ゼクトが良かった。ブルートで数年前に購入したものよりも良い。トロッケンの方が誰にも勧められるが、自分で飲むならこっちと言われて、なるほどあの渋みのある感じがシャンパーニュの近い。今まで飲んだ中で最も良いリースリングゼクトの一つだと思う。それも2015年の葡萄の出来の良さが裏打ちしていた。

結局普通のリースリングは買えなかったが、下のフリュータウも悪くは無かった。但しデンノッフの同クラスのものと比較すると少し落ちる。最初の日だけのお目当てはなんといっても垂直試飲だ。特に最も健康な葡萄となった2012年産の「フリューリングスプレッツヘン」を2010年とも比較したが、それほど優れてはいなかった。若干ペトロ―ル香があって、これならばそろそろ開けた方が良いのではないかとも思った。逆にもう少し熟れてしまう方がいいのかなとも思った。それに比較すると2010年の方がしっかりしていた感じだった。



参照:
習うより慣れた判断 2018-05-11 | 試飲百景
二日間の試飲の旅 2018-05-08 | 試飲百景


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by pfaelzerwein | 2018-09-20 00:00 | 試飲百景 | Trackback

トレンドは冷えた「神の雫」

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五月の試飲会を終えた。日曜日も天候も悪く出掛けてつまらないワインを口にする意欲は無かった。金曜日の講話について纏めておかないと忘れて仕舞う。大切なことは書き留めて身に付けないと何度試飲していても経験値が上がらない。そのような人は目前の下らない情報誌に踊らされてトレンドを追うだけの大衆市場の頭数となるだけだ。通への道からは程遠い。習うより慣れろ、数より質、手当たり次第よりも先ず頭を使え、どのような分野にも通じるのではなかろうか。一生を掛けても到達しないような遠い道は遥かに延びる。無駄なことはしないに限る。

さて5月の試飲の二つ目の山はその講話の内容だった。数十人のお馴染みの檀家さんが遠くはチューリッヒなどから集った中で開かれた。最初のグラスはロゼで、色が充分についているシュペートブルグンダーとなっている。

二つ目は現行のグーツリースリングで、如何に2016年は早めに収穫が始まり、一月早く10月4日には全てが終わっていた。それだけ早く開花して推移した反面、所謂「アイスケーニゲン」と呼ばれる「クリストの昇天」までに遣ってくる霜被害に見舞われた。つまり早く開花していればその分被害が大きく、多くの葡萄がやられた。そこで残った葡萄とそこから発芽した葡萄の二種類の収穫がなされたことになる。つまり収穫も二段階になり、その成長も全く異なり、幹の上部と下部の二種類の収穫となった。これだけを聞けば農協さんやいい加減な大手の醸造所の機械摘みのワインの出来上がりの程度が知れよう。

だからワインの味も二種類のミネラルと酸が混じる感じが下位のこうしたベーシックなワインの特徴となっている。それこそが2015年の完熟と2016年の葉緑素の多いクラシックなリースリング年との中間となっている。その結果を良しとするとか、どう思うかは意見の分れるところだが、少なくともレープホルツの残糖を落としたリースリングにおいては最初から馴染みやすい売れる年となっただろう。未だに2016年が売り切れていないのと対照的だ。

ありがたやありがたや。こうしたお話しは、高等専門学校に通っていてもどこにも書いていないと思う、とても具体的なことである。つまり、ベーシックなワインで量が出るから選別は出来ないので、この二種類の葡萄が混ざっているという事になる。そのお陰で、15年の様に分厚くも無く、16年の様に酸が前面に出ることも無い。中庸なのだ。勿論バイヤーとしてもとても需要な情報で、通常は霜被害で量よりも質とか程度で終わる知識がここでは傾向までをグラスに味わえることになる。農民と同じように愛飲家はこうして大きな経験を積み重ねる。酸が6.7gであるから、ほとんど残っていない糖に比較すると結構こなれていることになる。要するに薄っぺらくないので売れ筋だと思う。

三つ目はブラインドで、黄色い液体が出てきたが、心配しないでくれと、つまり当時の単純な作りでありながら今でも酸が効いていて、熟成臭が抜ければ食事に合しても悪くないとなる。要するに二番目の経年変化はこれよりも優れていてという対象年度の一つとして敢えて出している。2002年はモーゼル流域でも面白い年度で、地元でもクリーミーな酸が楽しめた年度だ。

四つ目は、貝殻石灰質の「フォムムッショエルカルク」で、黄色い果実や「黄色い」というのがまさしく経年変化で現れる石灰質リースリングの特徴だ。くわばらくわばら、早めに飲み干すか、石灰は避けた方がリースリング愛好家には精神健康上好ましい。

五つ目は、もう一つの土壌からのリースリングであるが、再びブラインドで、少し古いがそれ程ではない。つまり2017年と比較対象にされたのは2012年のつまりフランケンヴァイラ―のリースリングだ。その特徴は所謂赤シーファー土壌と共通点のある「フォムロートリーゲンデン」のそれとなるので、同じようにスパイシーとなる。それは土地の色目の赤が示すように鉄分が多く、その味質となる。面白いのはリースリングにおける強い土壌の影響は其れこそその根が深く長く伸びる傾向からとしていて、これは単刀直入な理由付けであって分かり易い。要するにリースリングほど根の伸びる葡萄は少ないのだろう。それならば崖っぷちや斜面に育つ葡萄は同じ傾向ではなかろうか?

六つ目は、それの現行もので、PH値が高く、燻製っぽいニュアンスが特徴だ。比較対象に2009年の上位の「フォムロートリーゲンデン」が七つ目、つまり更にスパイシーでコクがある。だから若い時には躊躇わずデキャンタ―白となる。八つ目に、現行の「フォムロートリーゲンデン」とここまで何時もの進み方であるが、九つ目に最後の山があった。2016年から始めて密かなプロジェクトとしていたレープホルツの「甘口リースリング」だ。アルコール8%で、なんと10gの酸に50gを超える残糖。専門家に飲ましても恐らく残糖15gだろうと答えると思うと語る、その通り全く甘くないのである。まさしく、先日ホッホハイムで試飲したドイツ最高の甘口醸造所デーンノッフのカビネットと同じラインである。

まさかドイツで最も辛口のレープホルツ醸造所が甘口のカビネットで勝負するなんて誰が想像しただろうか?それも残糖50g以上である。当然のことながら香味豊かなロートリーゲンデス土壌つまり赤シーファーのモーゼルなどの土壌と殆ど一緒である。微炭酸が綺麗に落ちて静かなリースリング、そして喉に引っ掛からない残糖。後でレープホルツ氏に直接誉めたが天晴なアイデアだ。

五月試飲の一つ目のハイライトはデーノッフ醸造所の2017年物で、その辛口と甘口のクールさに感動したが、そのクールさには欠けるもののシャンペンの様にぐっと冷やしてテラスで楽しめる純天然飲料リースリング。これは完全にトレンドになる。涼しげな質の高い甘口が醸造される可能性が出てきたのは、辛口におけるその栽培の清潔さと貴腐の無いカビネットを綺麗に糖を残しながらの醸造技術にほかならない。嘗ての様な安直なカビネットではなく、ここ数年のライトなカビネットではない本格的な甘口カビネット、これは数年後には味の複雑さでは勝負にならないシャンペン以上に価値が出る可能性があると思う。その素材の良質さと醸造技術の清潔さがあるからだ。まさしく神の雫の旨味である。勿論旨味のある土壌からしか醸造されない。のど越しが悪いワインは飲まない、だから甘口のワインは買ったことが無い。しかし、デーノッフの涼しさは一度バルコンで冷やして飲んでみようと思った。食事も合せてみたい。如何にその甘みが今までと違うか、それが言いたい。



参照:
二日間の試飲の旅 2018-05-08 | 試飲百景
土産になる高品質甘口ワイン 2016-05-30 | 試飲百景


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by pfaelzerwein | 2018-05-14 23:42 | 試飲百景 | Trackback

習うより慣れた判断

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車をサーヴィスに出した。半日スマートを借りた。安い車の割には走りはよかった。最初期に感じたぐらいの好印象だった。実際には走る機能は大分よくなっていると思う。但し喧しく、ゴーカートに乗っているようなものだ。クーラーの効きも良くて、ラディオもそこそこだ。視界はあまり良くなく、ミラーなどが上手く調整できなかった。燃費もそれほどよくない。レンタル料が安いのが取り柄だった。

先週末に購入したリースリングを開けた。昨年に続いて「ハルガンツ」と称する青スレート土壌のグローセスゲヴェックス「ハレンベルク」の早摘み葡萄で醸造された中級品である。昨年瓶詰めされた2016年産で、2015年産よりも遥かに軽い。2015年の場合は醤油のようなスパイシーで強い味にも合わせることが可能で、日本食や中華にも合わせられたが、2016年産はぐっとリースリングらしくなって、本来のナーへ産の味筋になっている。だから単品でもしつこくはならないのだが、その分青スレート特有の馬糞のような匂いが漂う。

要するにモーゼル流域などで一般的で日本でも愛されたドイツのリースリングは、スレートの一般的な匂いを出さないように、糖を残しながら強いアルコールで香りが目立たないように醸造してあった。しかしVDPの方針もあり、欧州での競争力強化から本格的辛口の推進によって、薫り高いスレート土壌のリースリングの品質が問われるようになった。その意味からすると、2016年の昔通りの気候からのリースリングはその品質が問われる。このような事情が雑食砂岩のリースリングこそが本格的な辛口リースリングになった所以である。

今回のシェーンレーバー醸造所の試飲では、そもそもの果実風味の強さとその押しが話題となった。一つには収穫量を落とすことでどうしても味が濃くなたことと、気候の温暖化があると思われる。その意味からすると、2015年よりも2016年産の方が素晴らしいのだが、例えば青スレート土壌からの葡萄に求められるその構築感のようなものは薄かった。例えば2016年「ミネラル」ではスパイシーさが舌を刺激して落ち着いた食事の伴侶にはなり難い感じがした。恐らくエキゾティックな食事などに合うのだろう。個人的には昨年秋の試飲時と同じように、自身の食生活からそれは選べなかった。その点「ハルガンツ」は落ち着いて滔々としているのが良かった。

また2017年産は、丁度2015年と2016年の中間になるという説が多いが、この青系のリースリングは霜被害の影響を強く感じて決して品質も良くなかった。量も2割落ちたというが、質もそれ以上に落ちている。だからオークション用の「アウフデアレイ」の樽試飲もあまり手が出なかった。残念ながら青系は選べなかった。

しかしその分「フリューリングスプレッツヒェン」は白い花の香りで、味もオレンジの皮を想起させて久しぶりに良かった。なるほど樽試飲であるから、本格的なワインになるのはこれからだが、とても期待が膨らむ。思わず、グローセスゲヴェックスを一箱予約してしまった。言えば、秋にもう一度試飲してもそれ以上のものは一切ないと分かったからだ。思い切った先行買いであるが、グローセスゲヴェックスの瓶熟成やその樽試飲の経験を重ねて決断可能になってきたのだ。やはり習うより慣れろである。

またまた昨年デンノーフ醸造所で再会した夫婦に再びシェーンレーバー醸造所で再再会した。次はどこで出合うか分らないが、情報を交換できるのが嬉しい。こういう情報が貴重なのである。



参照:
スマートに行こう! 2017-08-25 | 雑感


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by pfaelzerwein | 2018-05-10 22:50 | 試飲百景 | Trackback

決してCPで負けない

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日曜日に録音したフィラデルフィアからのシューマンの交響曲四番をぼちぼち聞いている。予想していたよりも遥かに面白い。シューマンの交響曲といえばその管弦楽法の問題などが良く語られていて、本当に上手に演奏出来るのかどうかあまり確信の持てないようなレパートリーになっている。実際にメディアで聞いた経験からしても、フルトヴェングラー指揮の一番や四番、サヴァリッシュ指揮の三番とか、印象に強く残っているのはそれほど多くは無い。今回ルクセムブルクでもツアーでなぜこの曲がプログラムに入ったのか全く理解出来なかったのは、これほど難しい曲だとは知らなかったからだ。これはとても楽しみになったと同時にお勉強に力が入るようになった。

月曜日は近場の醸造所二件を訪問した。お客さんを連れるのを口実にして自身の関心ごとである2015年産のシュペートブルグンダーの試飲をした。もっとも単純なベーシックなものしか買えなかったが、それはそれでとても価値があった。兎に角、南国風のシュペートブルグンダーで、殆どボルドーを感じさせるほうなのだが、勿論それほど膨らんでいない。どこか涼しさもあって、30度近い気温の下でも全く問題なく楽しめそうだ。個人的には6ユーロ安いラインの対岸のヴィースロッホにあるゼーガー醸造所のピノノワールとの比較になる。勿論ブルゴーニュと比較するのはピノノワールだが、これはシュペートレーゼとしても熟成度が素晴らしい。印象からするとあの記録的な暑さの2003年よりもいいと思う。

なによりも嬉しかったのは先代の元気な顔を見れたことである。90歳を超えるだろうか?息子さんのクリストマンVDP会長は晩婚の子供さんなので、その年代の他の親父さんよりも大分世代が上である。「長いお客さんだからな」といってくれるのはやはり嬉しい。決して良いお客さんだった訳でもなく、蔵出しレストランで挨拶するだけの時も長く続いたが、今こうしてブルゴーニュを愛する会長のシュペートブルグンダーを物色する。その手の掛け方は小規模の醸造所だけに可成りのものだ。バリックの使い方も上手い。時間を掛けて熟成させる。葡萄さえしっかり熟成した年度ならば決してCPでブルゴーニュに負けない。

ハムブルクのエルプフィルハーモニーでの演奏会を予約した。いつもの抽選である。当たるかどうかは分からない。来年1月8日のユース管弦楽団をキリル・ペトレンコが指揮する演奏会である。ベルリンが9日だから楽日の前日である。他の日に行くつもりにしているが、これが当たれば出掛けてもよいかと考えた。翌月にはべルリナーフィルハーモニカーがネゼセガン指揮で演奏する。これも興味はあったが、ダブルブッキングになる可能性と先ず何よりもフィラデルフィアで実際に聞いてみないと判断が出来ない。



参照:
価値のあるなしを吟味する 2017-04-05 | ワイン
隠れ練習、お前もか? 2018-04-22 | 文化一般


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by pfaelzerwein | 2018-05-09 01:37 | 試飲百景 | Trackback

二日間の試飲の旅

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土曜日のシェーンレーバー醸造所での試飲会も盛況だった。要点は、大まかに二種類の系統のどちら側を狙うかだった。最近は赤系統の土壌の方を選んでいたが、昨年はその「フリュータウ」の評判も悪かった。もともとは青系一点張りだったが、最近は反対の方に靡いている。その理由は、もう少し厳しく芳醇なフォンフォルクセン醸造所の地所のリースリングやヴァイル醸造所の構造的な「グレーフェンベルク」などの出来が向上しているからで、どうしても他の醸造所との比較になる。

今回も以前購入していたグーツリースリングなども価格的には魅力的なのだが、その果実の強さや押しの強さが鼻につくようになっている。要するに以前よりもドイツのリースリングは繊細で複雑になって来ているからだろう。一点張りの味の嗜好では頂点には残れない。だからやはり「フリューリングスプレッツヘン」などのチョットしたオレンジの皮の苦みなどがとても好ましく、その樽試飲においても広がる香りは先を期待させるものがある。その点「ハレンベルク」の青スレートの構築感も崩れや苦みなどがあるとあまり受け付けられない。昨年の秋の親仁の反応を見ていてもかなり酷く遣られて何とか収穫に漕ぎ着けたことを知っているから、その先入観念からはどうしても逃れられない。

同様にその時に立ち寄ったデーノッフ醸造所の収穫への見込みは期待させるものがあり、今回の便りにおいても小試飲においてもそれを裏付けた。つまり量より質の収穫年となったという事である。その意味において、例年とは異なる美しい酸を堪能できた。

何時もの様にキュンストラー醸造所のゲストとして先代の奥さんが来ていたので彼女に言った。「正直、毎年酸が物足りないので下位の物は買えないのだけど、今年は違う」とグーツリースリングや「カーレンベルク」が買える出来だったのだ。そして昨年売れ残りを購入した「カーレンベルク」について「あれから寝かすとどんどんとよくなったよね」と話した。

この醸造所に通うようになってそれほど経たないが、「いつも酸が物足りないから何時もグローセスゲヴェックスしか買わないんだ」と告白した。今年は最初からつまり瓶熟成の前から酸が綺麗に出ていて気持ち良い。「カーレンベルク」も欲しかったが、六月に出かけるので、先ずはグーツリースリングを持って帰ることにした。それだけでない。簡単なカビネットも中々で、全く糖の嫌味を感じない。これならばテラスワインとして特に日本なんかではきりっと冷やしてシャンペン代わりに飲めるよとなった。そして泡物とは違って、ワインの複雑さまで楽しめる。これに文句を言う者は居まい。甘くなんて全くないのだ、美味いのだ。奥さんに言った。「甘口ではオタクが一番だよといつも言っているのだ」と。



参照:
土産になる高品質甘口ワイン 2016-05-30 | 試飲百景
飲み頃を探る試飲談話 2015-09-15 | 試飲百景

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by pfaelzerwein | 2018-05-08 01:16 | 試飲百景 | Trackback

着陸コースの空の下

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二日間続きの試飲会は疲れた。毎年のことだが今年は結構腸にも堪えた。以前にも具合が悪くなったことがあるが、その時の感じに近い。理由は分からないが、試飲の酸が堪えていることは間違いない。ボルドーでの苦しい夜を思い出すほどでも、試飲中にトイレに駆け込み続けた時のようなことも無いが、腹がぐるぐるした。もしかすると酸の質が腹に来るのかもしれない。同じようにこなれている酸としてもリンゴ酸に近いような割合が多いのかもしれない。但し、歯に来たり、上部には来ていないので、リンゴ酸が多いという訳ではないと思う。それほど歯には堪えていない。

初日の試飲会を終えてから、バートクロイツナッハ近くの宿に宿泊した。農業大臣クロックナー女史の家にそう遠くない共同体である。明け方気が付いたのは飛行機の着陸ルート沿いにあって、思ったよりも静粛な村ではなかったことである。最初はフランクフルトかと思っていたら、フランクフルトハーン飛行場の路線だと分かった。なるほど距離的には可成り近いのだろう。近所を何度も通っていても気が付くことが無かったので、やはりそこに住んでみなければ分からないことは少なくないのである。そしてホッホハイムの二日目の試飲会に向かうと、もうそこはフランクフルトの飛行場にとても近い。一層大きな飛行機が頭上を飛んで行く。

今回出かける前にフォンジムメルン醸造所のオーナーであるフォンジムメルン家から挨拶状が入っていた。それによるとエルトヴィレの醸造所を締めるということで、2017年産は醸造していないということだった。昨年は偶々試飲会に出かけていたので驚いた。その話しをキュンストラー醸造所の親仁に聞くと、不在にしていて先日聞いたところだと語っていた。如何に情報が洩れていないかということだ。少なくとも昨年の収穫をどこかの醸造所が買い取った訳だから、そこの醸造所が今後も名地所を借りることになる。地所の権利は保持するということだった。あれだけの地所を問題なく醸造可能なところは限られる。州立醸造所か、そのほかは殆ど決まってくるのではなかろうか。個人的には売券が気になって、興味津々である。



参照:
着陸コースの空の下 2018-05-06 | 暦


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by pfaelzerwein | 2018-05-07 05:39 | 試飲百景

'15年産シュペートブルグンダー

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一週間の締めに山登りコースを走った。週に五回走るのはそれほどなかった。大抵は二回ほどクライミングが入るので、五回走ることは珍しい。山登りコースは冬シーズン初めてで、この冬に何回こなせるか分からないが、先ずは心拍計を着けてペースを落として走ってみた。殆ど160を超えない走りは初めてだったと思う。このペースならば10キロ超えも15キロぐらいまでぐらいは問題ないと思う。それも一つの経験だ。なによりも疲れを残さずに週五回走れたのがよかった。

さて先日IKEAに序に寄ったのは、ハイデルベルクの南の町ライメンのゼーガー醸造所を訪れるためだった。これも送らせることもできたが、情報収集を兼ねてそれを重視した。先々週に電話をしたときに2005年産が販売になっていると確認していたのだが、出遅れている内にDMが来て、プライズリストなどが入っていた。

そこにチラシが入っていて、ドイツ赤ワイン大賞の一位にブラウフレンキッシュが、二位にシュペートブルグンダー「シュペルメン」が入ったと紹介してあった。どのような賞か知らないので、調べてみると、シュペートブルグンダーの一位はワイン街道最北部グリュンシュタットも醸造所マティアス・ガウルが獲得、二位もゼーガー以外のワイン街道北部ご近所の二醸造所と南バーデンの一醸造所である。

個人的に最も興味を引いたのはグローセスゲヴェックスとなっていて、VDPが地所を認証したことになっていることで、嘗てはVDP醸造所でありながらブルゴーニュシステムになっていなかったので、その変化を認めたことだ。木樽を使いながら、果実風味を膨らませ、全くバリック臭を感じさせない、新鮮に開花したブラウフレンキッシュやシュペルマンRの開いたアロマと果実風味は、どのようになしたか謎であるとコメントされている。

その下の所謂テロワーワインはSと称するがこれは樽のタンニンが強く出るタイプで、個人的にはそこまでして飲みたくないというピノノワールである。そしてベースのものは年度によるとタンニンがきつ目で硬い。しかし2015年は十年に一度以上の夏だったので、とても柔らかく、簡単に一本を一人で開けられるようなワインだ。硬いワインの時は、飲み飽きもして、何か不純物があるような感じなのだが、果実がきれいに熟成していたので全くそのような傾向がない。2015年のピノノワールはフランスでもドイツでも同じで、ドイツに関しては十年に一度以上のフランス物に対抗できる年度となった。

それも価格が8.40ユーロなので、フランス物ならば素性の分からないワインなのだが、このゼーガーのワインはハイデルベルガ―セメントの裏山の葡萄で丹念に作られている。これに対抗できるピノはなかなかないと思う。三分の一ほどのボージョレー新種のガメ種とは、全くそのしなやかさや飲みやすさも濃くも深みも違う高品質な食事用ピノノワールである。



参照:
民主主義を叫んだ独裁体制 2016-07-22 | マスメディア批評
価格に注目して貰いたい 2013-10-16 | ワイン
ブルゴーニュらしいピノノワール 2013-08-13 | ワイン
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by pfaelzerwein | 2017-11-19 22:35 | 試飲百景 | Trackback

夕暮れの私のラインへの旅

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週末はラインガウへと車を走らせた。例年のようにロベルト・ヴァイル醸造所の試飲会に向かった。夕方から出かけて結構アルコールが入った。それでも2016年のラインガウを見通せた。今年はザールリースリングなど中々高品質なリースリングも試飲して、ラインガウでも二件の試飲をして、ナーヘでは失望しながらも、ある程度の期待があった年度だった。そこでグローセスゲヴェックスの「グレーフェンベルク」も予約してあったので是非試飲する必要があった。

先ずは、ベーシックなグーツヴァインを飲む。それほど悪くはなかったが、やや薄っぺらい感じがするのは致し方ない。次にオルツリースリング「キードリッヒ」である。これはふにゃふにゃで甘い感じがした。実際に辛口リースリングの中で最も残糖値が高く8.8Gほどだった。そこからエルステラーゲ「クロスターベルク」を試すと驚いたことに尖がっていた。酸は皆あまり変わらない様だがリースリングらしく角があるのだ。通常はこの重めの地所はだるいリースリングしかできないのだが、2016年産は面白い。恐らく「キードリッヒ」と同じく石灰成分が多いので例年は丸いのだが、今回に限っては尖がっているのだ。それならば反対側の斜面の上部にある昨年購入した「テュルムベルク」に期待が集まる。それがなぜか駄目だった。要するに甘いのだ。この醸造所のワインは、プファルツのビュルクリン・ヴォルフ醸造所のリースリングのように糖を残すことで長持ちを考えているようだ。勿論一本25ユーロもするようなワインは急いで飲むべきものであるべきではない。

やはりそのような年度でも「グレーフェンベルク」は最も辛口に整えられていて切れが良い。それでも2015年のように分厚くないので適当な時期に開けて楽しめるだろう。2015年産は「テュルムベルク」の酸が丸くなるまでゆっくり待とうと思ったが、2016年産は適当に開ければよい。勿論そこまで良くないものは早く飲み干さない締りが悪くなると思う。

それでもグーツリースリングは、藁の様な中に出てくるのはファンタオレンジ・レモンの味だ。そこに海の香りの様なものもあって、ミネラルには石灰っぽいドロッとした感じもある。若干のアーモンドもあって、グーツリースリングとしてはまあまあ複雑だろう。13ユーロであるから、レープホルツ醸造所の「オェコノミラート」よりも高価となると当然かもしれない。

結局自分用には、高価な「クロスターベルク」とグーツリースリングで価格を相殺して、予約していた「グーレーフェンベルク」と合わせた。また人のためにも「クロスターベルク」中心となった。2015年産は「グレーフェンベルク」を購入しなかったが、今年は自分用には甘い「キードリッヒ」を断念した。やはり辛口のリースリングは、幾ら酸が丸いと言っても、スッキリ感が無いと駄目だ。

クリーヴランドの交響楽団が今年もやって来る。前回も評判は大変良かったようだがプログラムに興味がなかった。毎年のように行われる欧州ツアーの今年は、場所は限られるが、三種類のプログラムはそれほど悪くはない。一つのマーラーの交響曲はエルプフィルハーモニーで15ユーロの券を申し込んだが抽選で落ちた。もう一つは春の祭典と大フーガなどだ。そして一番近いところのルクセムブルクでは、ヴィーンでも行われる「利口な女狐の物語」の演奏会形式である。そもそも下手な歌芝居などは聞いていられないので、このオペラも体験したことが無い。そしてなんといってもこれだけ優秀な交響楽団の演奏ならばと期待が高まる。指揮のメストもフランクフルトの会でロ短調ミサを振った時も決して悪くはなかった。そしてクリーヴランドでの仕事はとても評価が高い。ヴィーンなどでは到底出来ない音楽をしているのだと想像している。またお勉強するものが増えた。先ずはヴォーカル譜だけでも落としておいた。まだ「魔法の不思議な角笛」がお勉強できていないのでどうしよう。



参照:
12本選択するとすれば 2016-09-26 | 試飲百景
時間の無駄にならないように 2017-05-09 | 文化一般
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by pfaelzerwein | 2017-09-28 21:50 | 試飲百景 | Trackback

2015年産のお見事な出来

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二年ぶりのザール行だった。昨年は急遽取り止めになったからである。そして、2015年産のリースリングは、ナーヘだけでなくザールでも偉大な年になっていたことを再確認した。大成果である。他のより日照時間の長い地域に比較すれば2015年陽射しがとても効果があって、乾燥した長い秋が功を奏したのは明らかだった。

なるほどより容易に楽しめる2016年産に比較すると明らかに力が均衡しているのは他の地域とも変わらないが、既に大物ぶりの偉大さを示しているのを確認した。

ファン・フォルクセム醸造所のグローセスゲヴェックス「シャルツホーフベルク・ペルゲンツクノップ」を初めて試した。2015年は購入したがその出来は分からなかったが、これで確信した。恐らく今までのザールリースリングの中でもトップクラスの出来だと確信した。

あのくゆるほどのスモーキーさと均衡する酸が後に伸びる余韻は、今まで知る最高級グランクリュ、キルヘンシュテュック、ペッヒシュタインやグラーフェンベルクなどの特徴を超えていた。そもそもシャルツホーフベルクはエゴンミュラー醸造所によって甘口としてその存在は知られていたのでそのテロワーに関しては懐疑の方が強かった。しかしこれが示しているのは間違いなくドイツ有数のテロワーであるのだ。お見事な出来というしかほかに言葉が見つからなかった。



参照:
これもリースリングの神髄 2016-01-06 | ワイン
苦み走るようでなければ 2017-02-13 | ワイン
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by pfaelzerwein | 2017-05-19 22:40 | 試飲百景 | Trackback

ドイツを代表する花崗岩のワイン

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デュルバッハ訪問は二十数年ぶりだった。片道150キロほどでそれほど遠くはないのだが機会がなかった。高速道路から少し離れていて、谷の奥が行き止まりのような場所であるからだ。何よりも、その土壌が綺麗に反映するリースリングは当時はなかった。

VDPのテロワーを重視する方針から、今回は期待した。なぜならばドイツではほとんどない花崗岩土壌であるからだ。それでも多くの人は未だにバーデンのワインは、その高温の気候やカイザーステユールの火山性土壌から、ブルグンダー種の地域だとか酸が効いていないとか一面的で間違った迷信を信じている。勿論バーデン地方では昔から最高のリースリングはデュルバッハと決まっていた。

さて期待に応えたか?これはVDPの成果と言えよう。これならばもはやコルマールのそれを珍重する必要などは毛頭なくなった。今回訪れたアンドレアス・ライブレ醸造所で、2016年グーツリースリングと樽試飲として「シュタインレッセル」、2015年グローセスゲヴェックス「アムビュール」を試した。それで充分だった。

グーツリースリングでこれほどまでにミネラルを感じさせてもらえれば文句は無い。買えて楽しめるリースリングだ。そしてラーゲンヴァインは更に凝縮される。グローセスゲヴェックスは、2015年の弱い酸ゆえに既に楽しめる。そのミネラルは格別だった。

「アルテレーベン」らとは比較にならないような樹齢とクリスタル成分を含む花崗岩に根を伸ばしたミネラルは喜びである ― 花崗岩岩壁を登るクライマーには分かってもらえるだろうか。一体どこの誰がバーデンのワインは酸が弱いなどといったのだろうか?これ程のシャープさは雑食砂岩土壌のリースリングと並ぶリースリング愛好の渇望の的でしかない ― 細かに拾う手掛かりに刺さる結晶や足掛かりのような研ぎ澄まされたあの感覚である。

幸いなことに2017年産の霜被害も三割方の減産に終わりそうで、これまた期待が出来る。バーデンバーデンから30分ほどで買い付けに走れるので、ぜひ次の機会を活かしたいと思った。

醸造法はステンレスを使った単純なものだが、炭酸なども綺麗に落ちていてとても落ち着いたワインだった。しかし赤はもう一つな作りで、これは仕方ないと思った。


参照:
フランススーパー売りのワイン 2012-10-09 | ワイン
人類の将来の進展のために 2012-12-02 | アウトドーア・環境
体が焼けそうな花崗岩 2014-10-20 | アウトドーア・環境
黒い森の花崗岩を吟味 2014-10-07 | アウトドーア・環境
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by pfaelzerwein | 2017-05-19 22:34 | 試飲百景 | Trackback